雑誌「福楽」の今年の春号は越前市特集で、桜の見所が紹介されていました。
くまの「はいかい」の中で越前市は濃度がいささか薄く、その中でも今立地域は、池田方面への経過地で、なかなか立ち止まることがありませんでした。
いつか「紙」をテーマに今立を歩いてみたいと思っていました。
2009年8月のブログ記事、「美しい日本の歴史的風土」で三国と「越前和紙の里 五箇地域(越前市)」を歩きたい、と書いています。
三国はその後、歩いたのですが、今立はいまだトライしていませんでした。三国もまだ残りがあるので再度歩きに行きたいと考えていますが・・・
福楽の記事のサクラをきっかけに味真野に行ってみようと思い立ちます。
と言っても、正直いうと、著名な味真野小学校の桜が目玉で、その他は大したことはないのだろうと、たかをくくっていました。
結果としては文室川の桜のトンネルから花筐公園の薄墨桜まで、サクラに圧倒されっぱなしの一日となり、大満足で帰ることになります。
色々歩いたのですが、小丸城址、東運動公園など、見逃した桜も多く、結局「紙」はパスしてしまい、宿題を残した形になりました。
まずは味真野小学校の桜です。小学校の校庭に堂々とそびえていて、少年野球の練習中の子供達が遠慮気味なのがなんかおかしかったです。
4月5日は天気予報気予報では雨だったので、桜は諦めて、一日部屋の片付けと写真の整理に明け暮れようと考えていました。
朝、ニッコーモータースでタイヤ交換をします。
前回冬タイヤに履き替えるときに、冬タイヤもノーマルもスリップサインギリギリで、交換すべきだという話をされていました。
今年、弊社の税金対策を兼ねて新車購入を検討しようと考えていたので、勘弁してくれと、しばらく大人しい運転に徹しようと決意していたのですが・・・
なんのことはない、今回は、まったくの無視。ホッとしたような、淋しいような・・・
交換費は事務所に請求書を回してねと、最後っ屁をかまして帰ろうとすると、今年1月に車検を通していて、そのポイントが残っているから、無料で交換させていただきましたと。
なんか損したような気持ち・・・って、せこいかしら・・・
冬タイヤを物置に入れて、ゴルフバッグを積み直して、なんと陽が射しているではないですか。
最近は、Googleカレンダーに土日にしたいことを全て書き込んであり、一日前に確認できるように、メールで通知が来るようにしてあります。
福楽を読んだときに、花筐公園の桜祭りが6日からとカレンダーに記載していたのですが、大分時間が経っていて、5日も6日も一緒だろうと、味真野に向かうことにします。
結局、桜祭りは明日からで、公園では準備の真っ最中でした。
まあ、自分にとっては、お祭りのタイミングより天気が大事、太陽が大事です。
小学校に着いた時には厚い雲に覆われていましたが、西北からの雲の流れを見ているとしばらく待っていると切れ間がでてきそうな状況。
今日は徹底的に桜に付き合う覚悟できましたので、ゆっくりと校庭で時間を過ごします。
小学校の校庭の端に立て看板が立っていました。
『越前市指定文化財 味真野のサクラ』
「明治38年(1905年)、当時の清雅小学校(味真野小学校の前身の一つで毫摂時(ごうしょうじ)の南端にあった。)の校庭にで記念として植樹された。
その後、昭和4年、学校統合により、現在地に味真野小学校が増改築された際に、移植されたものである。
古老の言によると、清雅小学校に植樹されたとき、すでに直径が30cm以上であったとのことである。これらを総合すると樹齢は百年以上と推定される。
樹種はエドヒガンと思われ、当地方にあるサクラとしてはまれに見る大木であり、和53年10月1日に市指定文化財として指定された。
越前市教育委員会、味真野観光協会」
「古老の言」で30cmの太さって・・・
ちょっと突っ込みたくなるところですが、植樹された1905年から数えて、既に109年経過しているので、30cmなくても、長寿であることは確かです。
大分時間を費やして、昼近くになってしまいます。
小学校のあとはどうしようか・・・とりあえず、越前の里でも行って昼飯でも食うかと。
越前の里に着くと、コスプレの男女がうろついています。なんなんだこれは・・・
コスプレ桜祭りなるものの開催中らしい。駐車場に車を停めようとすると、男女のコスプレが近づいてきます。
「本日、コスプレの会があって、撮影会が開かれています。コスプレの姿の写真はご遠慮下さい。」と。
えっ、花も撮っちゃいけないの?いえ、花はご自由に撮影していただいてかまいません。ってそりゃ当たり前か・・・
でもコスプレなんか撮りたくないけど、肝心の桜並木の部分はコスプレの撮影会に占領されています。外して撮ろうとしても、ウロウロしているので、どうしても入ってしまう。
まったく迷惑な・・・・口は悪いくせに、お人好しのくまさん、うろつくコスプレが気になって、興味を失います。
万葉茶屋で飯でも食おうと、茶屋の中に入ると広い店内がコスプレとは明らかに人種が違う、ジッチャン、バッチャンで満席です。季節が良くなると、人が押し寄せてこんな状態が続くのだそうです。
席が空きますが、店員が少ないので、片付けが進みません。
入口のところに立って待たせてもらいながら、店内を見渡すと、壁に、「兄弟が漁師で、美味しいお魚が自慢と書いてあります。」
でも、隣の客が食べているお刺身定食は見た目、あまり、あまり、という感じ。
ようやく座らせてもらって、天ぷら定食、と言うと、時間がかかるけど、と、お奨めではなさそう。
まあ、お店の出したいものを頼もうと。
お刺身定食ならすぐ、ということで注文決定し、ぼんやりと外の景色を眺めているうちに定食がでてきました。
・・・ちょっと・・・兄弟にモノを言いたくなりそうになります。
同じく壁にコシヒカリの文字がありましたが、隣の人の食べ方を見ていると、きっとこれはご飯がネチャネチャだろうなという食べ方・・・
そんなのがわかるはずもないかと思いましたが、出てきたご飯は観察の正しさを証明します。
自分が最近昼飯として、カップ蕎麦、コンビニサンドイッチとカップスープ程度のものしかたべていないので、久しぶりに食べる定食で、期待が大き過ぎたところもあるかもしれません。
食事の後に、万延茶屋の裏を歩くと、、水芭蕉の畑があり、小ぶりですが、花が咲いていました。
以前は5000株の水芭蕉が咲き誇っていたのだそうですが、2005年にイノシシ被害にあい、全滅して、ようやく再生して1200株まで取り戻してきたのだそうです。
尾瀬の水芭蕉で、初夏の花という印象が広まっているが、味真野苑での水芭蕉の盛は3月から4月にかけて、という説明が書いてありました。
一通り回って見ようと「万葉の館で味真野」と万葉集の縁の深いことを知ります。
この件について「味真野小学校の桜」で書いていますので省略します。
継体天皇の像までたどり着きます。ここでは天皇の地元ということなのでしょうか、継体大王の記載になっています。
足羽山の継体天皇像はお顔の大きい、4等身から5等身というイメージのお姿ですが、味真野苑の継体天皇はえらく精悍で、スタイルのいいお姿でした。
コスプレの姉ちゃん達はグループで写真を撮りあっていて、いまだにあちこちの撮影スポットを占領しています。
盗み撮りしたくなるような魅力あるコスプレもおらず、味真野苑をあきらめて、お隣の霊泉寺をお詣りします。
表の表札に、瑞龍山霊泉寺は、曹洞宗の寺院で、朝倉孝景に守護職を追われた、斯波義敏の開基とあります。開基の年、開山は不明です。
大きなお寺で、御朱印をいただこうと思い、探しましたが、人影なく、諦めます。えらく高い建物があり、大仏殿と書いてあります。
中には、巨大な仏様の立像が佇んでおられました。武生3代大仏(そのほかには引接寺、月光寺)の一つということです。
境内のなかには垂れ柳が花開こうとしていたほか、薄いピンク色に鮮やかに染まった八重の桜が花を開き始めていました。
「味真野の桜」続きます。