奇跡のクラークコレクション展

2月17日(日)は長女が夜、時間が空きそうだということで、双方とも2月生まれの姉妹の誕生会を企画することに。

日曜日に敦賀に帰る予定でしたが、月曜の朝に帰ることにします。

クラーク美術館 クラークコレクション
クラーク美術館 クラークコレクション

渋谷ヒカリエの「酢重」というお店を奥さんが予約。丸の内の連荘に重ねて、渋谷も昨日の「渋谷シアターイメージフォーラム」に続いて連荘になります。

酢重というお店、新丸の内ビルにもあるのだそうですが、渋谷の方が、長女のアクセスにいいだろうときめたのだとか。

ルノワール うちわを持つ少女 1879年
ルノワール うちわを持つ少女 1879年

最近渋谷は、Bunkamuraに来るくらいなので、自分の本籍地である渋谷区役所のある、宇田川方面に降りることが多かったのですが、今回、2日とも逆方面の宮益あたりというのも妙な符合です。

食事の前に、次女と奥さんはヒカリエで誕生日プレゼントの買い物をしたいと。

ルノワール シャクヤク 1880年
ルノワール シャクヤク 1880年

婿さんは新雪もとめてスノボーに出かけてるので直接渋谷に、長女は夜勤明けで、一休みしてから夕方、直接店にくるとのことです。

買い物のお伴はパスさせてもらって、三菱一号館で開催されている「奇跡のクラークコレクション展」を覗いて行くことにします。

ルノワール かぎ針編みする少女 1875年
ルノワール かぎ針編みする少女 1875年

クラークコレクションの後に時間が余れば、汐留に寄ろうと思っていましたが、とてもそんな時間はありませんでした。

今回「奇跡」とタイトルについているのは下記のレアな理由があったということらしい。

①クラークコレクションが増築のため、巡回展があったこと。
②クラーク夫妻がこれだけのコレクションを集め得たこと。
クラーク美術館がボストン郊外にあり、日本人の観光コースから外れていて知っている人達が少ない。

ルノワール 鳥と少女(アルジェの民族衣装をつけたフルーリー嬢)1882年
ルノワール 鳥と少女(アルジェの民族衣装をつけたフルーリー嬢)1882年

奇跡と言うにはちょっとピンと来ない感じもありますが・・・これらの素晴らしいコレクションが余り日本で知られていないというのはちょっと驚きではあります。

入門者の自分は、この展覧会でクラーク美術館を知りましたし、当然、日本で余り知られていないとうことをすら知らない無知人間ではあります。

ルノワール劇場の桟敷席(音楽会にて)1880年
ルノワール劇場の桟敷席(音楽会にて)1880年

クラークコレクション展の説明をお借りします。

クラーク美術館(Sterling and Francine Clark Art Institute、通称The Clark)は、米国マサチューセッツ州ウィリアムズタウンに1955年に開館。

イタリア・ルネサンスの作品から、近代に至るまでのヨーロッパ絵画、また陶器や銀器などの工芸といった、時代と地域を越えた幅広い作品を所蔵しています。

20130217009こうした所蔵品の中でも、30点以上に及ぶオーギュスト・ルノワールによる油彩画は、世界中の印象派愛好家が一度は見たいと憧れる大変貴重なコレクションです。

また、ルノワールのほか、カミーユ・ピサロ、アルフレッド・シスレー、クロード・モネなどの印象派絵画の数々も驚くべき質の高さを誇ります。

20130217017

2010年より、建築家・安藤忠雄の指揮のもと、施設の増改築工事が行われており、これに伴い、コレクションの世界巡回展開催が決定。2013年2月、ついに日本に上陸しました。2014 年に新装開店するとのことです。

巡回展はルノワール22点を筆頭に、コロー、ミレー、マネ、ピサロ、モネ・・・など、フランス絵画全73点が一堂に集まります。

ピサロ エラニー、サン・シャルル 1891年
ピサロ エラニー、サン・シャルル 1891年

クラーク・コレクションは、ロバート・スターリング・クラークと、パリのコメディ・フランセーズの女優であった妻フランシーヌが二人共同で収集したものです。

スターリングの祖父エドワードはニューヨーク在住の法律家でしたが、アイザック・メリット・シンガーと共同で、ミシン製造会社I. M. シンガーミシン(I. M. Singer & Co.)を設立。

事業は順調に拡大し、莫大な遺産を遺し、スターリング・クラークは兄弟とともにその遺産を相続しました。

モネ 小川のガチョウ 1874年
モネ 小川のガチョウ 1874年

クラーク夫妻は、コレクションを寄付することなどを検討しましたが、最終的に、自然の美しいマサチューセッツ州ウィリアムズタウンに、コレクションを展示する美術館、だけではなく、総合的な視覚芸術研究所を建設することを構想し、美術館が完成しました。 」

確かにルノワールが多く、いつもの人物画だけでなく、印象派らしい静物画、風景画もあって面白いと思いました。

モネ レイデン付近 サッセンハイムのチューリップ畑 1885年
モネ レイデン付近 サッセンハイムのチューリップ畑 1885年

コロー、ミレーに始まり、マネ、シスレー、モネ、ピサロ等の印象派、メアリー・カサット、ベルト・モリゾの絵もあり、自分には楽しい空間でした。

生意気な言い方をすると、なんとなく目玉の絵がないと言う印象があるのかもしれない。地理的に遠いから知名度が低いというより、皆が求めて、会いに行く絵が少ないと言う面もあるのかもしれないなと・・・

マネ 花瓶のモスローズ 1882年
マネ 花瓶のモスローズ 1882年

でも、今回の展覧会で知った人達がこれからはボストンから、ニューヨークから脚を伸ばして、訪れる人が増えるのではないでしょうか。どちらから向っても車で3時間の距離なのだそうです。

自分は図録集に載っていた冒頭の美術館の外観写真に参ってしまいました。レンタカーを借りて、一泊覚悟でウィリアムズタウンまで行ってみたくなりました。

美術館を出るともう暗くなりかけています。

時間的にはまだありそうなので、近所を少しぶらぶらしてみるかと。

東京は至る所イルミネーションだらけで、こんなに明るい都市は珍しい様な気もしますが、夜になると人気の少なくなる丸の内で、光があると安心感があるような気がします。

明治安田生命ビルがライトアップされていました。岡田信一郎設計、1934年竣工、2001年に改築。明治生命館として、一部が一般公開されているのだそうです。

酢重で美味しく誕生会をして、最後に奥さんが注文していたデザートプレートがでて、記念撮影。例のごとく、娘夫婦の車に便乗して帰宅しました。

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くまじい
阿佐ヶ谷生まれの73歳

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