ナスカ

リマのホテルはSheraton Lima Hotel & Convention center。

というからには単なる宿泊だけでなく、国際会議や、国内の大きな催し物等にも使用される、多目的ホテルということなのでしょう。

20130428p0004ホテルのエントランスはそれ程大きいとは思いませんでしたが、中に入ってみると、宿泊棟だけでもかなり巨大なホテルでした。

ほとんどホテルに隣接する形で、ショッピングセンターが連なっており、至極利便性の高い、ホテルの様です。

20130428p000726日の深夜というか、すでに27日に変わった日にホテルに到着して、翌日は朝からリマ市内見学、夜はホテルのレストランでバイキング形式の食事です。

17人グループは夫婦、婚前旅行、親子などのカップルに単独参加の人という構成が分かって来ますが、この日はまだ馴染みが浅く、バラバラに食事して終わりという感じでした。

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このツアは食事つきだったので、後の旅行中の食事で、テーブルでお近くに座った方たちとお話して、少しずつ、同行者のお人柄、お仕事、カップのの間柄なんぞが分かってきました。

総じて、旅行好き、あちこち行っている方、山や歩くのがお好きという点では最大公約数的に共通するような気がしましたが。

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黒いトウモロコシ、チチャ。ジュースやドブロクにしたりします。

食事前に自分たちはシャワーと一休みという感じでしたが、すでに、ショッピングモールを探検されてきた方達もいて、少し情報が入ってきます。

食事終了後、ちとこちらも散策しようかと・・・

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ジャガイモと並んで南米高地が原産地のトマト

ショッピングモールの突き当りにスーパーマーケットがあり、見たこともないような果物や、野菜、多様なジャガイモや、トウモロコシなど、ペルーなど南米高地原産の野菜がありました。
28日はナスカの地上絵を見に行きます。

朝、時間は明確に覚えていませんが、7時頃だったと思います・・・ロビーに集合します。

201304280009市内に渋滞があったとのことで30分程またされて、バスが到着。

これから、バスで約4時間かけて、ピスコへ向かいます。距離的には3時間〜3時間半くらいで着くようですが交通事情に影響されるので、ゆったりと設定しているようでした。

201304280013ピスコで飛行機に乗り、30分かけて、ナスカの地上絵まで向かい、30分遊覧して、戻ってくるとのこと・・・

Google Earthで距離を確認しましたが、リマからナスカへ直接行くと460km、ピスコまでが250km程度のようです。(ナスカは地上絵の南にあるナスカの街まで)

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前日のリマ市内観光に続いて、今日も案内をしてくれているのはカルメンさんです。

われわれとピスコを往復して、翌日には別のツアで地上絵の展望台までバスで行かれるのとのことでした。ツアーのプランではバス移動7時間ということをお聞きしました。

201304280021カルメンさん、身体は小柄で華奢そうなおばあちゃんなのですが、タフネスさにあきれます。

それにしても、えらく時間かけてたどりついて、さっと、上空を遊覧して終わり・・・ってなんとなくお座なりの感じで、嫌な予感・・・まあ、その予感が的中しますが・・・

201304280035Google Earthで経路をたどると、海岸線に沿って一路南下しているのですが、記憶では見渡す限りは陸地でした。ピスコに近づいたところで一部海岸を走りましたが。

ピスコに向かう途中、バスで揺られながら通り過ぎる傍らの家々の上部が一様に屋根が吹き飛ばされた感じで、鉄筋が50cmt程度むき出しになって、突き出ている様子が続いています。

20130428p0027カルメンさんにお聞きします。上部に家屋を増設することを考えて、継ぎ足しできるように、鉄筋を突き出したままにしているんですと・・・

この辺は雨が少ないので、天井をきちんと作る必要がないために、このような形になっているのだそうです。ちょっと、にわかに信じ難い思いです・・・

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空港に着いて、組み分けがあります。飛行機は12人が限度ということで、12人と5人組に分かれ、ほぼ30分程度の飛行時間のずれがあります。

くま夫婦は先発組に入ります。それでも、小一時間待たされ、ようやく飛行機の準備ができて、出発です。

出発前に、空港使用料を払うためにカウンターに並び、体重を測定されます。大きい飛行機ではないので、座席の荷重バランスをとるということでした。

宇宙飛行士
「宇宙飛行士」

くま夫妻は1番目と2番目の座席に縦に並んで座ります。

今回のツアーの長老格の方が、「くまさんは体重が多いから、バランス上、前に行ったんだ。軽い俺は後ろに座らされてよく見えんかった。」と、冗談交じりにぼやきます。

そうおっしゃいますが、一番前の席はパイロット席のすぐ後ろですから、視野はパイロットに近いわけで、パイロットに指摘されて、絵を探しているうちに、通り過ぎてしまい、見逃すことが多かったのです。

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右上に「サル」が・・・クルクル巻いたしっぽは枠外で見えません・・

お目当ての図の上空に来ると、パイロットはまず、右側か左側にに大きく機体を傾けて、、片言の日本語で「翼の下、クジラ、クジラ!」と叫びます。

絵の図柄は案内図で確認していても、絵の大きさのイメージがないので、なかなかピンとこないこと、想像より線が薄いこと、パイロットの翼の下、あるいは翼の先なる感覚が見当が付かないこと・・・

地上には目的の絵の他に、直線や台形の幾何学模様の線があり、図柄と区別が付きにくいこともあります。

「ハチドリ」唯一まともに撮れたきがします。
「ハチドリ」唯一まともに撮れたきがします。

日本人のパイロットなら、「右下丘の右側斜面に太い線が見えると思いますが、その太い線をまたいで、くじらが描かれています。

もうそろそろ右側の視界から消えそうです」・・・・等々、説明の仕方があるのではと思います。

ということで、ぶっきらぼうなパイロットの指摘で、容易に図が見つからず、あきれるほどの貴重な時間が過ぎていきました。

空港で大きな地図を買っていたのですが、とても地図を見ながらじっくり探す余裕はありませんでした。

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なんだかわかりません。左頂部になにやら絵があります

ようやく、見つけた場合でも、カメラを構えるころには、もう後ろに行ってしまう・・・ということで、自分の感覚としては後ろの座席の方が見つけやすかったんじゃないのかと・・・

サイトには「カメラは無駄玉でもともかくシャッターを押し続ける」とありましたが・・・

ということで、地上絵の写真はまともに写っているものはなく、ほとんど?が付く結果となりました。

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「コンドル」が右方下に向けて飛んでます。

まあ、色々なサイトを見ても、きちんと予習して、図柄と大きさのイメージを頭に入れておくべきという記載があります。

今のままの観光方法なら、必須でしょう。って、今のままなら2度と行く気持ちはおきないでしょうが・・・
Wikitravelには12枚の絵の写真が整理されていて、ああこんな風に見えたのかということをある程度、振り返ることができました。

右上に「鳥」?
右上に「鳥」?

また西川ツアーズ S.A.Cでは地図上に絵を埋め込んであり、ポイントをクリックすると図がポップアップされるような紹介がされていて、絵の位置関係の概要が分かるようになっています。

写真ではないので、ちょっとイメージが違うのですが・・・

それほど経験は多くはありませんが、アメリカや、ヨーロッパでかなり小さい飛行機には慣れてきたつもりですが、左に、右に揺れる機体にいささか気持ち悪くなってきて、声が出なくなります。

「オウム」の一部
「オウム」の一部

最後は額に脂汗がながれきて、「もう、宇宙人でも蜘蛛でもいいから機体を振らないでくれ」・・・

と人に聞こえない様に唇だけで、お願いしつつ、お腹を圧迫しないように、密かにベルトを緩めていました。

まあ、出発前にいだいた予感の通りの感じで、あの絵とこの絵を見たけど、それがどうよと、感動もいまいちという感じでした。

「トカゲ」 轍の白い線に荒らされています。 右下に黒く見えるのがアメリカ縦断道路(パンアメリカン・ハイウェー)
「トカゲ」 轍の白い線に荒らされています。 右下に黒く見えるのがアメリカ縦断道路(パンアメリカン・ハイウェー)

理想を言わせてもらうと、ピスコの空港にでも博物館なり、記念館なりがあって欲しい。

地上の展望台からの展望が確認できたり、どのようにして線が描かれているのかの説明、巨大図の描き方の推測、絵全体の個々の紹介とか幾何学模様の説明とかを飛行機の待ち時間のうちにたっぷり勉強できるように・・・

予備備知識を仕入れてから、それらの知識を基礎に上空を飛び、眺望を楽しむという手順がありがたいなと・・・予習してこない不勉強を棚に上げた感想を持ちました。

「星座」? 薄いですが、円が二つ見えます。
「星座」? 薄いですが、円が二つ見えます。

もっと南下したナスカの空港まで行くと、地上絵まで近いし、地上絵の上空を飛ぶ時間も長くなり、もう少し余裕ができるのかもしれません。

WikipediaWikitravelAllaboutNAVERなどで、ナスカの地上絵のことを確認すると、地上絵の目的、意味などはいまだ明確になっておらず、多くの推論が飛び交っているようで、ちょっと整理がつきません。

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地上絵の線がなんなのか・・・紀元前2世紀から6世紀の間に描かれたとされるあの線が残っているのだろうということに関してはWikipediaで下記のように記載されていました。

「ナスカの地上絵が立地する場所は、盆地となっており、長い年月の間に、周辺の高地からの水の流れが土砂を盆地に運び続けた。このような土砂は細かくて明るい色、黄白色をしている。

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この土の上に時々大洪水によって多量の石を含んだ土砂が運ばれる。細かい土は、南風によって吹き飛ばされ、比較的大粒の礫や岩石が残される。

早朝は露に濡れるが、日中は焼け付くような砂漠の太陽に照らされることを繰り返すうちに、表層の岩石はやがて酸化して暗赤褐色になる。

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岩石が日中の太陽で熱をもつので、その熱の放射で地表に対して暖かい空気層をつくり出し、南風による表面の浸食を防ぎ、雨もほとんど降らない気候環境から雨による浸食もほとんどない状況をつくり出した。

ナスカの地上絵は、このような盆地の暗赤褐色の岩を特定の場所だけ幅1m〜2m、深さ20〜30cm程度取り除き、深層の酸化していない明るい色の岩石を露出させることによって描かれている。」

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巨大な図の書き方としては、測量技法の拡大法を用いて描いたのだという説が有力になっているのだそうで、古代の技術に対する、想像力を大きくかきたてられます。

宇宙人が描いたなどの説はちょっと遠すぎる話のような気がするのですが、それでは古代の人達がなぜにそのような技術を持っていたのかということに対しては、どうしてもSF的な想念がお邪魔してしまいます。

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近年、人間が立ち入るこことにより、車の轍で荒らされたり、極端な例としては道路が貫通して、一部が消滅しかけている。

さらに、ラニーニョの影響で、ナスカでも雨が降るようになり、乾燥状態で得られていた、「線」が 消えて行きつつあるのだそうです。

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自分の中の結論としては、今回のような形でしか接することができないのならば、ナスカはパスして、マチュピチュ滞在を一日増やして欲しいというのが本音のところです。

ただし、「線」を目の前で確認したい・・・あの広大な盆地の中にたって、「線」を間近で確認してみたい気持ちは残っています。

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「ナスカの地上絵」見学後、レストランで遅いお食事をして、リマに戻ります。時間的には夜8時くらいになったのでしょうか、リマ市内の中華料理屋さんで皆で食事して、疲れ果てて、ホテルに帰りました。

さあ明日は、いよいよクスコへ旅立ちます。

くまじい
阿佐ヶ谷生まれの73歳

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