ボストンの3日間はほとんど雨模様で寒い日を過ごしました。
明日はニューヨークへ移動という28日の朝、太陽がでて、フリーダム・トレイルをゆっくり楽しめましたが、また午後からは厚い雲に覆われました。
ボストンからニューヨークへ移動して、2日間は雨混じり。

特に30日は土砂降りでメトロポリタン美術館に避難します。
夕方、自分の勘違いで、ビレッジ・バンガードの開演に遅れてしまいます。
ようやく拾ったタクシーで駆けつけたのですが、閉まった鉄の扉はびくともせず冷たく我々を拒んでいました。

1か月くらい前にネットで予約して、eチケットを確保、期待していただけにショックが大きく、どっと疲れが出てしまいました。
5月1日はようやく雨が上がり、翌日の2日も合わせて、気持ちの良い散策を楽しめました。
1日の夕方はヤンキースタジアムだったのですが、天気の良さに気持ちが上ずり、eチケットをホテルに忘れるという失態を・・・

仕事で一人で海外に行っていた時に比べると緊張感のないせいか、歳とったせいか、じじい、耄碌しやがって、というところです。
3年前に歩いたタイムズスクエア、セントラルパークは今回も行きましたが、再訪でも楽しさは変わらずで、魅力の多い街だなと思います。くまは都会が向いているのか・・・
タイムズスクエアは一部のビルや、広場そのものも改造中でしたし、NY自体が常に変貌し続ける街という印象を強く持ちました。

イタリア、スペイン、北欧などなど、行っていないところも沢山あるのに、再訪にもかかわらず、行くたびに見たいところ、経験したいことが、さらに増えていく感じで、当分、楽しめそうです。
JFKからマンハッタン島に向かう車から、1(ワン)ワールドトレードセンタービル(1776ft =541m)が見えました。
1776は独立記念の年にこだわったようで、スカイツリーの「武蔵(634)」同様の御愛嬌です。
旧WTC跡地に建設され、一時期王者に返り咲いていたエンパイアステートビルを再度2位の座に追いやり、NY市一番の高さのビルとなりました。
グランドゼロから見上げると、既にビルの運用は始まっているようでしたが、まだ、外装で一部工事中で、完成までに今一歩というところでした。
前回、ハドソン川沿いに歩いていた時に、ファイナンシャルセンタービルの後ろが、グランドゼロで、ビルが建設されているのを横目に通り過ぎてしまいました。
グランドゼロに寄っている時間がなかったのですが、自分の中では、観光気分で行く場所ではない、行くべきでない、というこだわりもあった気がします。
こうして遠くから1ワールドセンタービルを見ると、なにが進行しているのか行ってみたくなりました。
ツインタワーの跡を象った巨大な四角い穴、その底部の中央部にさらに深い四角い穴が開いています。
外側の四角の各辺から豊富な水が流れ落ち、周囲の壁を水幕で覆います。
底部に流れ落ちた水は中央の穴に流れ落ちて行きますが、中央の穴の深さは周囲からは確認できません。
深い地の底に、流れ落ちて、ここに眠る人たちを癒し続けるかのようでした。
モニュメントの周囲に、亡くなった方たちの名前が彫りこまれているのをしばし、茫然と眺めつつ、目頭が熱くなるのを抑えられません。
思想、信教の違いを超えた敬虔な気持ちを引き出す、いいモニュメントだと思いました。
ファイナンシャルセンターと一体化した7つのワールドセンタービルと地下に大きな駅を持った通路群が建設中でした。
地下駅に降りるエスカレータの脇に銃を持って立つ兵隊に、カメラを首からおろせと合図され少々ビビります。
モニュメントを覆いつつある、すさまじい商業主義の前線基地という感じで、祈りを力に変えていくアメリカの逞しさを感じます。
戦後を引きずり、周囲とギクシャクを解消できないまま佇む我が国・・・
「日本」を守り、日本らしく生きるのもよし、「日本」を譲歩して世界に並ぶこともよし、行きつく先が武力行使という悲劇を避けつつ、悩み迷走していけばいいのかと・・・
独断、独走を避ける体制をみんなで造る気構えを見せるためには、酒飲んで周囲に同意を求めててもしょうがない、歯がゆいけど、選挙参加ということしかないのかと・・・