3年前、UNESCOの世界遺産の日本候補に福井県が係る2つの地域が立候補しました。
一つは小浜市が単独に立候補した「若狭の社寺建造物群と文化的景観」（神仏習合を基調とした中世景観）です。
二つ目は、勝山市が石川白山市、岐阜郡上市と共同提案した白山を中心とした福井、石川、岐阜三県の越前、加賀、美濃の各禅定道とその基点となる各白山神社。
それらの周辺の文化を含めた「霊峰白山と山麓の文化景観」-自然・生業・信仰-でした。
双方とも世界遺産の審査の前提になる「暫定一覧表」への記載はされず、継続審議となりました。
要するに日本としての推薦候補からは外れたということです。
白山は翌年、白山の開山と白山神社（平泉寺）を開いた泰澄の開設とされる「那谷寺」のある小松市、「越前禅定道」に係る福井県大野市、「美濃禅定道」に係る岐阜県高山市、白川村が加わり、範囲を拡大して再提案されています。
提案書は各々提案している市のホームページでみることができます。文字が多いけれど、立派な観光案内書になるものだと思います。 小浜と大野市の例を示しました。
・小浜市ホームページ「観光・歴史・文化」
・大野市ホームページ「文化・歴史」
自分としてはどちらも興味のあるところで面白いなと思っていました。
世界遺産に認められるとどういうメリットがあるのかはよく判っていませんが、双方とも、継続審議事項の検討を継続しているということですので、楽しみにしていたいと思います。
両者の代わりに「富士山」などの追加が決定しました。
現在「暫定一覧表」には下記の候補が記載されているとのこと。まあ有力な競争相手たちではあります。そういえば近所のくせに彦根城に行っていません。
・「古都鎌倉の寺院・神社ほか」（神奈川県、平成4年）
・「彦根城」（滋賀県、平成4年）
・「平泉の文化遺産」（岩手県、平成13年）
・「富士山」（山梨、静岡県、平成19年）
・「富岡製糸場と絹産業遺産群」（群馬県、平成19年）
・「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」（奈良県、平成19年）
・「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」（長崎県、平成19年）
・「小笠原諸島」（東京都、平成19年）
世界遺産は「文化」、｢自然｣および「複合」の分野があり、小浜は最初リアス式海岸も含めた「複合」で申請しようとしたようですが最終的には「文化」に絞りました。
リアス式海岸については、蘇洞門の遊覧船観光して、日差しと心地よい風と揺れでぐっすり寝入ってしまって、なにも記憶がないので語る資格がありませんが、お寺や神社は興味持って廻っているころだったのでなんとなく嬉しくて応援してました。
ただ、関東の人間からすると鎌倉なんかと比較して全国的な知名度的には弱いのかなという気がします。
歴史的には小浜の方が古いのですが・・・
「ちりとてちん」放映後あるいはアメリカ大統領選後であれば、小浜の知名度が上がっており、選考の見方が違っていたかもしれません・・・そういうことは無いか。
白山は最近、世界遺産に登録された「紀伊山地の熊野古道」とコンセプトがダブルので、見送り気分があったというような解説もありましたが、こちらこそタイミング悪かったのか知れないです。
