メアリー・カサット展、余談

横浜美術館で開催されているメアリー・カサット展が、場所を移し、京都国立近代美術館で開催されるようです。(9月27日~12月4日)

国立近代美術館に、まだ脚を運んだことがないので、紅葉の時期に京都に行く機会があれば、覗いてみたい気持ちもあります。

カサット 母の愛撫
母の愛撫

京都国立近代美術館のサイトに行くと、横浜美術館でポスターに使用されていた「眠たい子供を沐浴させる母親」に代わって、「母の愛撫」がポスターに使用されるということのようです。

思わず、主催者に変化が?と、確認してしましいましたが、美術館が異なる以外に変化はないようです。

「眠たい・・」が、帰ってしまうと言うことなのかも知れません。

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てなことを考えていたら、横浜美術館で、記載しようと思っていて、失念していた項目を思い出しました。カサットに関係ない、ルノワールの話など余分なことに気を取られたことがいけないのですが・・・

カサットは日本の版画、日本画に造詣が深く、その流れで彼女が所蔵していた屏風の実物が展示されていました。

その作者を見て、驚きました。

喜多川相説 秋草花屏風図
喜多川相説 秋草花屏風図 フィラデルフィア美術館所蔵

直前に行った根津美術館で、「たらしこみ」手法の例として、その一部がポスターになっていた「四季草花図屏風」の絵師で、覚えたばっかりの喜多川相説の名前があったからです。自分がいいなと思った絵でした。

喜多川相説の作品の数は比較的残っていながら、人物については詳細不明で、江戸前期、17世紀から、18世紀初めまで活躍した、と言う程度しか記載がありません。(Wikipedia)

相説は、俵屋宗達の弟、あるいは弟子とも言われる俵屋宗雪から、宗達の工房の印、「伊年」印を受け継いだ、いわゆる宗達直系の絵師。

カサット 地図
カサット ドライポイントだけで描かれた「地図」

しかも、朝廷から宗達、宗雪と同位の「法教(ほっきょう)」の地位を得ていた。

「法教」という位は本来、僧侶に対して、朝廷から与えられる位であるが、絵師、さらには、医師、仏師、連歌師などにも適用されたのだそうです。

宗達一門のように、皇室、幕府のお抱え絵師でない町絵師が「法教」の位を得ることは絵師の権威を大きく高めるものだったのでしょう。

カサット タペストリーフレームに向かうリディア
タペストリーフレームに向かうリディア リディアの顔の輪郭が輝いていて感激しました。

階位としては、法教の上に、さらに、法眼、法印と2階位があり、狩野探幽が最高位である法印、長谷川等伯は法眼を授けられたそうです。

探幽、等伯ということになれば、権威に近い絵師としての評価であり、町絵師としての最高位は法教だった、ということなのでしょう。

尾形光琳も法橋を得、その戒名「法橋緒形青々堂光琳」に遺されています。

カサット 若い娘の頭部
カサット 若い娘の頭部

相説は加賀など北陸で活躍した絵師ということのようですが、俵屋宗雪も北陸で名を残しており、同じ「そうせつ」の読みから、業績が混同されている面もある、ということの記載もありました。(Wikipedia)

・・・それにしても、最近、絵画の話が多いような気がして、俺はそんなに、「芸術家」か、といささか面映ゆい・・・

体力不安のせいか、外を歩く機会が少ないこと、たまに行くと、写真の整理が追いつかない、などが重なり、写真整理の負担がすくないところに行ってしまう、と言う面があるのかと・・・

カサット 扇を持つ婦人
カサット 扇を持つ婦人

今年に入って、「みぶろぐ」からの転身で苦労してきた新規のブログも、そろそろ、方向が見えてきたような気がするので、眠っている写真の在庫整理にかからねばと考えています。

とりあえず、至近の、はるかに高き山、「ウフィツィ」を切り崩す努力をしていかねばなりません。ってまた絵かよってところですが・・・

くまじい
阿佐ヶ谷生まれの73歳

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