ファイブ・ボロ・バイクツアと共に北上するバスは至る所で同ツアの規制に引っ掛かって、大分時間をかけてハーレムに到着します。
おそらく距離が進むにつれて、バイク・ツアの集団が拡散して行き、トップと尻尾の部分の距離が長くなってくるので、規制の時間も長くならざるを得ないのだと思います。
ハーレムに入るとまず、アポロシアター前でバスが停車します。
ガイドさんはゴスペルを日本人社会へ広める活動もしていて、ハーレムでは著名人らしい。訪ねた教会の壁に新聞の切り抜きが貼ってあって紹介されていました。
名前を忘れていたのですがアポロシアターを調べていたら彼のサイトに行き当たりました。
「トミー富田」さん、色々なツアの情報満載です。・・・今日のゴスペルは正直言うと、ちょっと、ちょっとだったのですが・・・
アポロシアターはもともとダンスホールとして出発したが、ダンスのみでなく、音楽も含めた黒人の芸人の殿堂となった。
色々変遷はあるようですが、その都度、復活して、現在もライブなダンス、音楽の情報を発信し続けている場所ということです。(Wikipedia)
毎週、水曜日に行われる「アマチュアナイト」は素人の芸人が出演して、観客の反応により、ランキングされます。
富田さんのツアで「アマチュアナイトツア」もあるようです。
上の動画は2008年1月のアマチュアナイトです。
ショーの前に、昔なつかしのソウル番組「ソウル・トレイン」のラインダンスをもじった感じのダンスコンテストが入ります。
観客が志願して上がっているのだと思いますがおぼつかない腰どりがおもしろい。
上位入賞者は月ごとに行われる「ショーオフ」、3か月ごとに行われる「トップドッグ」、さらには年間のWinnerを決める「スーパートップドッグ」に進みます。
スーパートップドッグに残った人達はテレビの「Showtime at the Apollo」に出場できるということで底辺からのし上がるチャンスを与えてくれる夢の舞台というわけです。
日本人でダンス部門で年間Winnerになり、マドンナにも認められた「TAKAHIRO」と言う人がいるのだそうです。
ダンスのことは全くわからず、ピンときませんでしたが上野隆博さんと言う方で、となる9大会連続優勝というマイケル・ジャクソンを超える歴代最多優勝記録を打ち立てた人なのだそうです。(Wikipedia)
EXEILとは関係なさそうです。
喝采の代わりにブーイングを浴びると、強制退場、半年間出入り禁止なるのだとか。
Wikipedeia には嘉門達夫が強制退場させられた、との記載がありました。
まあシャレだったのかもしれませんが、そうだとするとちょっと不愉快な感じがしますが・・・
アポロ劇場を出発して、目的の教会を目指しますが、バイクツアの余波のため、渋滞してなかなかたどり着けません。
街のあちこちに教会があって、そこには行列ができています。と言っても外観は普通のビルで教会と言う感じがしません。
言われないとレストランにでも並んでいるのと間違えそうです。
ハーレムの中の教会が外観では教会と判るところが少ない様な気がしました
予約なしできた観光客は行列待ちしてゴスペルを聴くのだそうです。
ニューヨークの最初の日にも書きましたが・・・・(年寄りは話がくどい)
昔、サンフランシスコで経験したゴスペルは大きな教会の礼拝として行われており、一般の人もその礼拝に参加して、ゴスペルを楽しめました。
朝の散歩の時にゴスペルが流れてきて、これは面白そうと、恐る恐る入って行くと、空いてる所に座れといわれて信者と一体になって座ります。
圧倒的なゴスペルで興奮し、合間のお説教の時に廻って来る、袋に1ドル紙幣を投げ込んで、またゴスペルが始まって・・・
説教の時に「立ちあがって周りの人とハグして・・・」立ちあがりますが、シャイな日本人は隣の若い女性とハグするのが恥ずかしくて、向こうもこちらの照れを感じて避けます。
逆隣りのオバサンとはハグできたのに・・・この歳になり、今だったら、思い切り若い娘を抱きしめていたのに・・・って、何を言ってるんだか。
カリフォルニアに頻繁に行っていた時でしたが、その感激が忘れられずに、奥さんがカリフォルニアに遊びに来た時に、日曜日をサンフランシスコで過ごし、その教会に連れて行き、奥さんも大感激でした。
今回ニューヨークについてオプショナルツアに「ゴスペル」があるということで、二人とも即決で「行こう」と・・・申し込んでしまいました。
日曜の夜はBlue Noteを予約していたので、朝はゴスペル、夜はジャズと音楽漬けの一日と期待は膨らみました。
サンフランシスコの時の記憶からすると・・・行列って何なんだろう?さすがニューヨークは一般人が押し寄せて、入りきれないで整理の必要があるのか・・・という感想を持ちました。
目的の教会にたどり着きます。
ここにも行列ができていました。日本人の顔もちらほら見えます。
その行列を尻目に教会の中に入ります。つられて、行列の人の何人かが入りますが、ガイドさん、ちゃんと見ていて、「貴女、ツアの人ではないですね。外で待っていてください。」
中には入れましたがなんのことはない、廊下で延々と待たされます。
教会というのは誰でも自由に入れるものと思っていました。
部屋に入って座って雰囲気に触れたいと思いますが、許されません。
教会内は撮影禁止とのことですが、待たされている廊下ならいいのでは・・・とガイドさんに訊くと、止めてくださいとのこと・・・
自分は撮影禁止を破るつもりはさらさらないけど、それ程ストイックになる必要はないのではないかという思いはありました。
ハーレムに思い入れがあるガイドさんなので、自己規制的に厳しくなる面もあるのかなと思います。
なんのことはない、You Tubeを調べてたら、この教会のゴスペルの様子がアップされていました。そのビデオの中で、前にいる日本人らしい人が堂々と写真を撮っている様子が写っています。
YouTubeにアップしているということは、ビデオを撮っている人も居るというわけで、メチャクチャな感じ。
悔し紛れではなく、宗教的な儀式に関しては、まあ、言われたことは守るべき、と思います。 ようやく礼拝室の中に入れてもらいます。
部屋は今まで見てきた教会の奥深い縦長の構造と異なり、横長です。戒壇を三方から囲むように座席が用意されており、小劇場という趣があります。
小劇場の舞台には合唱団の座る座席が用意されており、ぼつぼつと合唱団が集まってきています。
礼拝室の座席は大きく3ブロックに分かれています。
真ん中のブロックに信者が入り、左右のブロックに観光客が座る構造の様で、信者ブロックには、ちらほら、おしゃれした人達が座っていました。
我々はバンドの居る右サイドのブロックに座ります。
いわゆる特等席と言う奴か、といやらしい優越感を・・・
しばらくして、行列の人達が次から、次にと入ってきて、左ブロックに案内されますが、すぐに満杯になります。
どうするんだろう・・・と思っていたら、係りのおじさん、我々の右ブロックに来て、平然と、お前達、もっと詰めて座れと手で示します。
左ブロックからあぶれた人達が詰め掛けます。
それでも右ブロックがいっぱいになると、なんと、信者ブロックまで埋まって行きます。
え~!後から来て、信者ブロックはないだろう・・・って、優越感は霧消しました。
それでも、ともかくゴスペルが始まりまが、なんか寂しい。
乗らない・・・と思っていたら、信者ブロックに座った帽子のおばさんがゆっくり立ちあがって、こちらを睨むように振り返り、手拍子を促します。
司祭風の人のボーカルが終わり、女性が前にでてきて歌い始めます。
おっ、これからだな・・・って・・・余り乗りません・・・
高校生ぐらいの坊やがでてきますが、乗る、乗らない以前に唄の下手さが耳につきます。
なんだかがっかりすると同時に眠くなってきて、あくびをこらえていると視線を感じます。あの手拍子おばさんが睨んでいました。おっとっと、手拍子を・・・
5曲くらい演じたのでしょうか?
女性の司祭がでてきて、お説教して、観光客も含めた特別な祈りがあり、また唄があり・・・道路に面したところにあるドアが開放されます。
終わりだから出ろと・・・え~!!!という思いで外に出ました。
まあゴスペルを演じるショーを見せてもらうというとことなのだと。2度と来ない・・・
これが、このハーレムのゴスペルとして定着していて、どこに行っても同じなのでしょう。
有料の観光客たちが帰った後に、信者達の礼拝が始まると言うことの様です。
信者ブロックが閑散としていたのは我々が入れてもらえるショータイムの時間には来ないで、その後の本当の礼拝に来ると言うことなのだと思います。
自分が求めていたのは地元の人達が思い入れして、クワイアと一体化して興奮の渦に巻き込まれていく・・・その中に身を置かせてもらう・・・そういう体験でしたので、えらく失望感がありました。
事前調査もせず、ひょいと訪れた観光客が図々しいことです。
唐突ですが・・・福原美穂がロスの教会でアメリカ人を泣かせてしまう「アメイジング・グレイス」を・・・
もう一つの教会The United House of Prayer or All Peopleに来ます。
ここの食堂でソウルフードのランチになります。
ガイドさんのお勧めでしたが、まあ、あまり美味しいとは言えない・・・好き嫌いで別れるのかもしれません。
食事後のこの教会のトローンボーン10数本の演奏は最高で、もっともっと居たかったけど、これも3曲ぐらいで退出します。
外ではボランティアのバザーが開かれていました。
気遣いのガイドさん、写真を撮るんだったら、何か買ってあげてくださいねと忠告してくれますが、例のごとく一人遅れ気味のくまはその間もなく、慌ててバスに乗り込んでしまいました。
ハーレムの街は高いビルディングはなく、通りは広いのですが、アメリカの田舎町が集まって広がっている感じ・・・判り難いか・・・街の中を歩くのは、極め付きに面白そうな匂いがします。
きっと自由に歩くのは危ないのでしょう。
それこそ、富田さんが主催しているハーレムを歩くツアがあるみたいなので、是非次回は・・・って、次回分にリストアップされる項目がこぼれおちそうです。