三の酉

11月25日は三の酉。日曜日に重なったので、奥さんと二人で鷲神社に出かけます。

自分はもう掻き込む熊手は用済みですが、奥さんは個人事業主で仕事を続けているので、商売繁盛に関しては、まだまだ現役なわけです。

まあ、きっと初詣みたいなもんで、商売とは別に、毎年お詣りを続けるのだろうとは思います。

昨年、二の酉にお詣りに行き、帰りに「土手の伊勢屋」で食事をと思いましたが、夕方にたどり着くと、営業が昼間だけで、今、店内にいるお客さんは昼間並んでいて、ようやく座れたところなのだと。

トリップアドバイザーの記事に、「土手の伊勢屋」の店主が体調を壊し、夜間営業を止め、11時から14時半の昼間のみの営業になったという記事がありました。

さらには、10時半に店についたら3番目だった、11時に店に入って20分待って天丼のロを食べたとの記事もありましたが・・・

天丼ハ(天丼ロにかき揚げが入る?)

お酉様は夜になっても、それはそれで風情があるので、構わないし、遅い昼飯を食べてから、お酉様へ、という予定にしようかと相談しました。

まあきっと閉店時間までに並べば食べれるのだろうと、1時頃お店に到着を目安に出発、三ノ輪駅からゆっくり歩いて15分程度だったでしょうか、店についたのは1時15分。

店の前に並べられた6席の丸椅子に座れずに、立ったままの行列がその後に続いていて、店の横を廻り、さらに裏に折れてコの字の待ち人の行列ができていました。

お店の人がパンフレットを配りながら、注文を取っていました。新に並んだ我々にもパンフレットを渡しながら、後で注文を訊きに来るので考えておいてくださいと。

土手の伊勢屋さんの行列

思わず、注文を訊いてくれるというのは、食事することができると言うことですね、と余分なことを言ってしまいます。

お食事していただくことは必ず出来るんですが、正確にはわかりませんが、2時間以上はお待ちいただくことになると思いますと。

生牡蠣の天ぷら

その後、注文を取りにきて、奥さんが天丼のハ、自分が海老天丼を注文します。

三の酉の日は最も混む日の一つなんです、とショッキングなお言葉もありました。三の酉に加えて、世間的には3連休の最終日で、遠方から来られている方もいるのでしょう。

行列の前の方からは中国語らしき会話も聞こえてきますので、おそらく、伊勢屋さんに伺うのには最悪と言える日だったかも知れません。

桜満開時期に行った京都岡崎十石舟を思い出します。昼前に船着き場に到着して、乗船チケットを購入しようとすると、2時間後の船しか空いていないと。

南禅寺等を拝観して、時刻直前に乗船の列に並び、救急ベルトなどの配布を受けていると、列の脇で外人のオバさん3人が係員ともめています。

英語圏の人ではなさそうな英語で、乗船が1時間後なんだけど、フライトの時間があるから、なんとかならないか、と言うことらしい。

英語堪能な説明員がでてきて、きっぱりと、規則で割り込みは出来ない旨説明、諦めてもらっていました。

まあ、帰国のフライトに間に合わない計画をたてるオバさん達もあきれるけど、外国に行って、あまり状況がわからないまま並ぶということの難しさを感じました。

それを考えると、よくまあ中国のご家族、並んでるなと、ここで何時間も費やすことが旅行計画に入っているのかと、感心します。

1時15分に並び始め、時々近所をうろついてみたものの、腰と膝の関節が少々つらくなってきます。

お隣の蕎麦屋さんが夜の営業の準備を始め、4時半に開店したのが、もう少しであの丸椅子に座れるというころでした。

丸椅子にようやく座れてホッとしたときに、お店の人がメニューを見せながら、前のお客さん達に説明を始めます。

我々の所にも訪れて、生牡蠣の天ぷらが余っているので、改めて、注文を聞いている、残り2個だとのこと。

商売の上手さに感心しますが、肴には向いていそうだなと、注文してしまいました。

店の中に入れたのが、5時少し前、3時間45分の苦行が終わります。

大半は昼食に来られた方達ですから、アルコール類を頼むような輩は少数派ですが、構わず、お燗をいただきます。

穴子の骨を揚げたものに醤油をたらした、あてが出てきて、酒が進みます。

続いて、生牡蠣、ミルクたっぷりの大きな岩牡蠣の天ぷらがでてきて、レモンをかけて食べろと言われて、思いっきり絞ってしまったことを若干後悔しつつ、美味しくいただき、ついお酒をもう一本と。

石原一家総出のお得意様みたい

海老天丼は以前、相席して、お互いにお酒を飲みながら、色んな話をしてくれたおっさんが食べていたものです。

おっさん、ここの天丼が最高よと言いながら、酒に偏って、どんぶりに海老がきたならしく残っていて、不味そうな印象があったのですが、目の前にでてきた海老天丼は全く別物の輝きのあるどんぶりでした。

ものすごい売れ行きのお店もあります。

腹一杯になって外に出ると、夜は更けて、真っ暗、鷲神社へ向かいます。

昨年、入谷が一番近いと思い入谷駅から、歩きました。

確かに真っ直ぐ歩いて、神社の鳥居にドンピシャリだったのですが、なんと鳥居から浅草方面と三ノ輪方面に長い行列ができていて、どちらかの最後尾に並べと。

行列はあくまでもお詣りのための列なので、熊手だけ買う人は境内に入ってもいいということです。

こちらはお詣りが主なので、三ノ輪方面に歩き、おそらく、三ノ輪、鷲神社の行程の6割以上は戻ったのではないでしょうか。

今年も、直接入り口を目指すと、痛い目に遭うだろうと、少し斜めに、三ノ輪に戻り気味に歩いて居ましたが、何のことはない、行列がほとんどできておらず、すんなりと境内に入ることができました。

三の酉の夜故ピークは過ぎた、ということなのかもしれません。

今年は売れ行きが良さそうで、売り手のお兄さんに聞いても、「お仕事させていただいてます。」と嬉しそうな声が返ってきました。

「商売繁盛」に金を使うと言っても、にっちもさっちも行かない状態でのご祈願は渋くなるだろうし、むしろ、見込みがあっての大盤振る舞いということで、景気はいいのだろうなと。

道を塞いでシャンシャンシャンとやっていた一段と景気のよさそうな一団の熊手を抱えたお兄さんに「これでいくらだったの?」と訊くと、「50万円です。」と。

なんと奥さんも別の人に訊いていたみたいで、45万円って言ってたよって。

どうも、買うときに値切ることはできるのだけれど、縁起物なので、値切っても差額はご祝儀として渡し、結局は、店の言い値を出すことになるみたい。まあ、それも面白い。

伊勢屋で立ち続けて、脚が少々、腰が目一杯痛くなり、早々に入谷駅目指して退却しました。

くまじい
阿佐ヶ谷生まれの73歳

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