四街道市民大学専門講座が9月から始まりました。
場所は市内の愛国学園大学、受講生36人。市民大学の受講生は120人？位いるので、専門課程を選択した人は全体の1／3程度というとこなのかしら。
申込時にお訊きしたら、専門課程の受講資格は特に市民大学受講に関係ないようで、大学でカリキュラムを組んで開講し、受講生を募っており、毎年受講してもいいらしい。
専門課程は全8回。講師は全て愛国大学の教授ないしは准教授の方がラインアップされています。
第1回目の今日と次回は伏見親子教授の「英字新聞の読み方」。
伏見教授、大分テキパキされたご性格の様で、エライ早口で、ぼんやりしていると置いて行かれそうです。
中学生みたいに変わりばんこにリーディングさせられたり、次から次へと文例が飛んでくるわで、大変。
次回の進めた方について教授から問いかけがあり、調子に乗って、トランプ大統領関連記事のレポート担当に手を上げてしまいました。
次回、概要を説明しなければならない。担当の人達は休んじゃダメよって、釘刺されて・・・
今回はその宿題を記事にしたというところで、次回のテーマが、6月のトランプと金正恩の会談の新聞記事で、自分の担当する部分は記事の中にでてくる関連コメントという類いの記事。
金正恩が深謀遠慮のマキャヴェリストでトランプを手玉に取り、自分のやりたいことを達成しつつあると言う内容です。
本稿の写真は2016年にフィレンツェ、ローマを旅行した時の写真を利用しました。
内容のイタリアの政治家マキャヴェリに無理クリひっかけて、2年前の写真を引っ張り出した物です。
マキャヴェリ（ニッコロ：1469年～1527年）は、イタリアルネッサンス期の政治思想家で、フィレンツェ共和国の外交官を務めた。
今回の宿題である記事は権謀術数を繰り広げる暴君としてのマキャヴェリイメージに沿って話を展開しており、それはマキャヴェリの著書「君主論」に依るものとされる。
タイトルのマキャヴェリアンは 英語でマキャヴェリの考え方を実践する君主を指し、日本ではマキャヴェリストという言い方になるのだと思います。
記事の著者は「権謀術数の暴君」、「独裁者」という意味で「マキャヴェリアン」を使用していて、本来のマキャヴェリの思想から派生して、流布されているイメージ、と言うことなのだと思います。
理想主義的で、旧来の因習に囚われたルネサンス期において、 マキャヴェリは宗教、道徳に拘泥せず、現実的な政治を追求することを唱えたのであり、君主は悪徳者でなければならないと言っていることではない。
状況に合わせて柔軟に態度を変更する能力を身につけなければならない、みずからの理想のために国全体を危機に陥れてはならない、と。
自分の身を保持しようとする君主は、よくない人間となりうることを習う必要があり、またこの態度を、時に応じて行使したり、行使しなかったりする必要がある。
一つの悪徳を行使しなくては、自国の存亡にかかわるという容易ならぬばあいには、汚名などかまわずに受けるがよい。などと、この当たりの部分を極端に解釈することにより「権謀術数の暴君」という解釈になるのだろうと。
巻末に記事の英文全文と翻訳文を掲載しましたが、概要は下記の通りになります。
「金正恩が世に出た当初、CIAは彼が暴力的なエゴイストであるが、北朝鮮の上層部に利用されているだけで、短命であろうと考えていた。
しかしながら、彼は叔父を始めとした政権枢要の人間をパージして、軍事権を掌握した。
また、 彼は、単なる暴君となるのみでなく、 偏在していた資産を分散し、経済の立て直しをし、過去50万人もの命を奪った飢饉を克服した。
さらに、金は未だ未成熟な自国の核技術を利用して、トランプを踊らせ、シンガポール会談を実現、一番恐れていた韓国との共同軍事訓練を止めさせた。
さらに、中国をも巻き込み、アメリカとのパワーバランスを利用し、北がアメリカ側寄りになりことを恐れた中国からも譲歩を勝ち取っている。
この勝ち組の暴君はさらに成功を収めていくだろう。」
金正恩を暴君と規定はしているが、北の経済を立て直し、国際間の緊張を利用して、核保有国としての評価を得て、有利な条件で、国際社会の仲間入りを果たした実力を高く評価しているという見方もできそうです。
『マキャベリアン金』【全訳】
金正恩が2011年に世間に知られたときには、恐怖の人と言う印象は全くなかった。27歳の彼は、亡き父、金正日の棺の前でうなだれて涙を流していた。
当時、世間では、夜な夜な遊び廻っているボンボン、という風に見ていたが、CIAの心理分析官は彼が、侮辱を受けた場合には暴力的な攻撃をするエゴイストであると分析していた。
CIA当局は彼の時代は持って数年だろうと考えていたし、またもし続いたとしても北朝鮮のエリート達が裏からコントロールして楽しんでいるだけだろうと。
しかし若き独裁者は人形などではない姿に変貌した。
金は絶大な権力を有していた彼の叔父を含めた何百人もの有力高級将校達を処刑することにより軍隊を骨抜きにした。
彼は資産の分散化を図り、市場経済を成り立たせることにより北朝鮮経済を変貌させた。1993年から2000年の間に50万もの命を奪った飢饉は克服された。
また、事実上、まだ未成熟な核開発計画を、ドナルド・トランプに最上位の外交問題として採り上げさせた。
世界は金が60発の核爆弾を製作するに十分な原材料を保有し、また、アメリカ合衆国のいずれの都市を狙える長距離のミサイルを有していると見ている。
もし、国内の独裁政権維持が目的であるなら、この金政権下の5年間は異なった展開となっていたろう。ソウルにいるトロイ大学のDaniel Pinkstonは語った。
このマキャベリアンの戦略はトランプが金とシンガポールで会うことにより、北朝鮮に合法性を与えるという成果を得る。これは彼の祖父にも父にも達成しえなかったことだ。
金が嫌う米軍・韓国軍の協同軍事教練を避けるということで、トランプはさらに、金のポイントを上乗せした。
トランプは金を評して、かれは才能に恵まれ、こよなく自国を愛する人間である。と言っている。
その言葉は、国連が人権侵害であると告発している強制労働キャンプに押し込められている約10万人と言われる北朝鮮人達にとって新鮮な響をもつだろう。
2017年2月、クアラルンプール空港において、彼の異母兄である、金正男を神経性毒ガスVXガスによる公衆の面前での恐怖の処刑することを命じた。
金体制下の反対者たちは沈黙しており、国境警備員は脱北を試みる者をその場で射殺するように命じられている。
金はさらに、アメリカの学生、オットー・ワームビアを恐らく拷問により死に至らしめた。また、計画的な組織的サイバー攻撃により、150以上の国に、10億ドルを超えるダメージを与えたWannCryと呼ばれる、ITテロを仕掛けた。
今回のシンガポールサミットにおいて、トランプは北朝鮮の海水浴場にコンドミニアムを建てる権利を得たかもしれないが、代わりに、全ての金の負の面を見過ごした。しかしながら専門家達は金の今後の動きに対して、異なった未来をみている。
専門家達の見方はシンガポールでの「完全なる非核化協定」の金の約束はあまり説得力はなく、彼と彼の先達がサインしていながら守られなかった1992年、994年、2005年、2012年の時と同じであろうと。
金の狙いは中国とアメリカの敵対心を利用しようとしているように見える。北朝鮮は東アジアのパキスタンと同等の位置を狙っているようだと。Heritage Foundationの分析家であるBruce Klingerは言っている。
パキスタンは1998年に核実験に対して制裁されたが、イスラム教との戦いに注力することにより、米国との関係を深めている。
金はシンガポールサミットを利用し、中国とアメリカの間で上手く立ち回ろうとしていて、そして確かに、中国政府はアメリカの影響力が平壌に及ぶのを恐れて、既に、長い国境での規制を緩め始めている。
長い期間、無視されつづけてきた北朝鮮が事実上、核保有国として世界に認められ、世界の仲間入りを果たすという、あり得ない変化をもたらせたのである。
金は望み続けた核保有を達成し、さらに欲していたトランプとの会談を実現し、嫌っていた協同軍事教練はもう実施されない。
次回のベットは、どうか逆らわずに、金が賭けた方に、賭けてください。独裁者は絶好調です。
The Machiavellian Mr. Kim by Charlie Campbell (”Time” 25 June,2018）
【英文全文】
Kim Jong Un was anything but formidable when he first stepped onto the world stage in 2011.
サンタ･フェリチタ教会
With head bowed, the 27-year-old wept before the casket of his late father Kim Jong Il.
Rumors suggested the scion was a hard-partying libertine, while a CIA psychological profile painted him as an egoist who lashed out savagely at perceived insults.
Intelligence officials doubted his rule would last longer than a few years and if it did, only at the pleasure of North Korean elites who would control him from the shadows.
But the young dictator has turned out to be anything but puppet.
Kim defanged the powerful military by purging hundreds of top brass, including his powerful uncle Jang Song Taek.
He transformed the North Korean economy by ceasing collectivization and allowing the marketplace to thrive. The famines that claimed some 500,000 lives between 1993 and 2000 are no more.
And he turned a fledgling nuclear program into President Donald Trump’s top foreign policy problem. He is estimated to have enough material for up to 60 nuclear bombs and has long-ranged missiles that can reach any U.S. city.
“If your objective is maintain a dictatorship, the last five years under Kim couldn’t have been scripted better,” says Daniel Pinkston of Troy University in Seoul.
The payoff for that Machiavellian maneuvering came when Trump met Kim in Singapore, giving the North Korean a degree of legitimacy his father and grandfather never achieved.
Trump added to Kim’s win by nixing the joint U.S.-South Korea military drills that Pyongyang loathes, and by praising Kim effusively.
Said Trump, “He’s a very talented man and he loves his country very much.”
That might be news to the estimated 100,000 North Koreans in forced-labor camps who are subjected to abuses that the U.N. has declared crimes against humanity.
Under Kim’s regime dissenters are silenced, and border guards are ordered to shoot attempted defectors on sight.
Kim ordered the gruesome public execution of his half-brother Kim Jong Nam with the toxic nerve agent VX in the Kuala Lumpur airport in February2017.
Kim presided over the death, possibly by torture, of American student Otto Warmbier. And he has boosted his regime’s cyber war-fare program, launching the WannaCry ransomware attack that caused billions of dollars of damage in 150 countries.
Trump looked past all that at the Singapore summit, taking up instead the potential for condos on North Korean beaches. But experts see a different future, based on Kim’s moves so far.
They find Kim’s pledges in Singapore of “unwavering commitment to complete denuclearization” not much more convincing than the similar agreements he and his predecessors signed and subsequently violated in 1992,1994,2005 and 2012.
Instead, Kim appears to be exploiting the rivalry between the U.S. and China. “North Korea wants to be the Pakistan of East Asia,” says Bruce Klingner, an analyst with the Heritage Foundation.
Pakistan was sanctioned for nuclear tests in 1998, but improved relations with the U.S. by aiding the fight against Islamic terrorist groups.
Kim may hope the the summit is the first step in that direction. And indeed, Beijing has already loosened sanctions enforcement at its long border with North Korea, fearing the U.S. might be gaining influence in Pyongyang.
Achieving de facto recognition as a nuclear state and joining the global community as a peer would be an audacious, unlikely transformation for long-suffering North Korea.
But Kim wanted nuclear capabilities and he has them. He wanted a date with Trump and he got it.
The hated military drills are no more. Don’t bet against what Kim sets his sights on next.
The dictator is on a roll.
