横浜美術館 「メアリー・カサット展」

メアリー・カサットの名作を集めた展覧会が横浜美術館で開催されていて、久しぶりに横浜に出向きます。

国立新美術館のルノワール展も行きたかったのですが・・・

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ルノワールのダンス三部作と言われる、男女のダンスする姿を描いた3点のうち、2点のモデルは、ユトリロの母、シュザンヌ・ヴァラドンと考えられるというのが定説でしたが・・・

テレビ番組「美の巨人たち」で、異説がでてきたというのを見て、面白いなと。


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上図の真ん中の絵が、一番先に描かれた「ブージヴァルのダンス」。

他の対になる2点、左の「都会のダンス」のモデルのシュザンヌおよび右の絵の「田舎のダンス」のモデルで、後のルノワールの奥さんとなるアリーヌ・シャルゴ、「ブージヴァル」の女性は2人のイメージを融合した姿ではないか、というものでした。

言われてみると、「都会のダンス」の冷たい美人、シュザンヌが「ブージヴァル」では少し太めで温かい田舎娘の面影を宿している様な気がします。

と、言いつつ、国立新美術館はオルセー、オランジュリー所蔵品の出展なので、「都会」と「田舎」の2点が出展されている。

一方、ボストン美術館所蔵の「ブージヴァル・・」は、同時期に開催されている、「ルノワールの時代 近代ヨーロッパの光と影」展で名古屋ボストン美術館に居て、六本木では見られないと。(全部、日本に居るというのが、スゴいところではありますが・・・)

それならば、行ったことのない横浜美術館に行こうと・・・って、後からこじつけた理由ですが・・・

17日に行こうと考えていたのですが、孫が我が家に来襲し、爺がお守り役を仰せつかることになり、1日早めて、16日に行くことになります。

あいにくと、夜には台風上陸の天気予報、夜、中華街で飯でも食うかとの計画は変更、早めにでて、夕方には帰宅しようと変更します。

前日、南船橋の「IKEA」でP300を紛失。いまだに連絡を、もらえないところから、どうも、拾ったP300 を活用してくれている方が居て、届けがないのでしょう。

P300 用のSDカードをEOSで利用した時のRAWデータが吸い上げないまま200枚程度残っていて、それが悔やまれますが・・・

慣れないスマホで写真を撮ります。

横浜美術館は1989年開館、変遷があったようですが、現在は公益財団法人横浜市芸術文化振興財団の運営。

ランドマークタワー、三菱重工横浜ビル、日揮のマークが目立つ、クィーンズタワーなどが建ち並ぶ、計画都市、みなとみらいの中心広場に面し、みなとみらい線の駅前にあります。

メアリー・カサットは以前、ワシントン・ナショナル・ギャラリー展で好きになり、奥さんが2枚のエッチングのコピーを購入、我が家に飾ってあります。

自分は勘違いしており、印象派画家であったカサットが、作風が変わり、エッチングの世界に入ったと思い込んでいました。

今回の展示で、カサットは、パリの生活の前にイタリアで版画を始めていて、さらに、ドガと共に、エッチングの技術を追求していったもので、絵と同時期の作品であったということを知りました。

※上記の絵は今回、出展されていません。

ピサロもドガとカサットに付き合ったようで、ピサロのエッチングも展示されていて、面白いと思いました。

自分はピサロの絵が好きですが、ピサロが唯一、印象派展8回全てに出展した画家であること、後輩であるスーラを評価し、点描を学んで、新印象派にも足を踏み入れたこと、など・・・

絵画のことならともかく真摯に取り組む生真面目さが見える感じで好ましく思っていました。

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片岡球子 「面構 浮世絵師鳥居清永と版元榮寿堂主人西村屋与八」

加えて、ドガとカサットと共にエッチングも追求していたのだと・・・

短い期間に輝いて散った夭折の画家、個性が強く、生活破綻的な性格で、自らを命を縮めて行くような画家・・・達がハラハラするような絵を残していて、それはそれで大好きなのですが・・・

ピサロの穏やかで、なんとなく田舎の陽射しが漂う、暖かいイメージもいいなと思うのです。

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荘司福「春律」

カサットが追求した、銅版画の技法、エッチング、ドライポイント、アクアチント、ソフトグランドエッチングなどの説明コーナーが設けられていて、面白く勉強させていただきました。

ということで、改めて、それらの技法を駆使したカサットの銅版画を楽しく鑑賞できましたが、組み合わせた版画も良いなと思うのですが、ドライポイントだけで表現した絵も、印象に残る様な気がしました。

絵の中では「若い娘の頭部」、「桟敷席にて」、「扇を持つ夫人」、「タペストリーフレームに向かうリディア」などが自分の中ではお気に入りでした。

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アメリカ写真展 人気女優達のポートレートがよかったです。

日本画を思わせるような「二人の姉妹」などのパステル画も柔らかい感じでいいなと。

ワシントン・ナショナル・ギャラリー展で、いいなと思った、「麦わら帽子の子供」、「青いアームチェアの少女」がいなかったのが、ちとさみしかった。(前掲の2点です)

カサット展の後に、横浜美術館のコレクション展示を鑑賞、片岡球子、荘司福の大作、写真展、階段に設置された彫刻を愉しませていただきました。

外にでると既に、ポツポツと雨が降り始めてきています。

中華料理ならぬ、築地の食堂飯でランチをして、早々と帰宅しました。

 

くまじい
阿佐ヶ谷生まれの73歳

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