明通寺130302

ようやく、2月の記事の整理が終わって、3月分に入ります。

サーバーの容量が後、25MBの命となり、3月分を整理しきれないうちに突然死するかもしれません。時期的には連休明けくらいになるでしょうか・・・

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4月6日(土)、7日(日)は京都で桜の名残りを感じつつ、ゴッホ展に行くか、福井で桜を見るかと楽しみにしていましたが、天気予報通りの大荒れの天気となりました。

6日は強風で北陸線の特急も運行中止のようで、結局何処にもでかけられません。敦賀の桜を撮りに行こうと、ようやくでかけて福井病院の庭で写真撮り始めた途端に、雨が降り始めました。

「なかにし」で昼飯食べて、逃げ帰って家に籠ります。

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最近、大学時代の友達とGoogle Driveで音楽を共有する試みを始めていて、なんとか面白くなりそうになってきたのですが、自分のCDデータを最近整理していなかったので、その整理を始めたり・・・

左義長の写真の整理に手間取ったのと、色んなところで訪問時にもらってくるリーフレットを地域別に整理したり、などなどで2日間があっという間に過ぎました。

5日(金)の朝と夕方の通勤の途中に少し桜の写真を撮りましたが、このブログで紹介することができない まま終わりそうです。

201303026024一部を並行して始めた「ひとひらのめも」というブログに載せています。

写真の枚数を重ねて文章も饒舌なこのブログとことなり、一日一枚の写真でなるべく短く記録を重ねようと試みているのですが、いつまで続くことか・・・ いまなら画面全体に桜の花びらが散っていてお得です。

と、長い前書きになりました。

2013030260273月2日(土)、久しぶりにお水送りの日が休日に重なる巡り合わせがきました。これはなんとしてでも出かけなければと。

途中、明通寺によります。

昨年、国宝の本堂と三重塔の屋根の葺き替えを終え、落慶記念法要があるとご連絡をいただきながら桜を求めて色々行きたかった時期で、パスさせてもらいました。

201303026025今までに、三井寺と中山寺の葺替直後の屋根を拝観して、新しく蘇った屋根の曲線の美しさに感激した覚えがありますので、楽しみにしていました。

山門をくぐって、階段を登り、受付までくろと本堂の屋根が見えてきて、ぞくぞくしてきます。

201303026080やはり、新しい、檜皮葺の屋根は素晴らしい・・・

それは単に新しいからということではなく、オリジナルの曲線の美しさがあるのでしょう。どうしてこんなに官能的な曲線を描くことができるのでしょうか?

こんなところに官能的などという言葉を使うことは不謹慎かもしれませんが・・・

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屋根を調べてみようなどと思ったのが敗因で、全く先に進めなくなってしまいました。

日本の木造建築に関して様々なサイト、ブログがあって、驚きます。かなり専門的なものが多く、基礎知識がない自分にはなかなか理解できません。

疲れきってきたので、かろうじて下記のようなことなのかと・・・

「日本建築の底流」というサイトでの屋根の変遷について記載されているのを引用させていただきます。

201303026038雨の多い日本では屋根の水はけを考慮すると勾配をきつくする必要があるが、日本では、雨水から木造の建築の壁を護るためには軒を深くする必要がある。

さらに、高温多湿のわが国では雨の日でも窓を開け放つことが多く、また夏の暑い日差しが射しこむとこを防ぎ、壁への日光直射による室温上昇を防ぐ目的もあり、深い軒が必要とされる。

しかしながら、勾配が大きいまま、軒を深く取ると、軒先が下がって暗くなるうえに見栄えが悪い。

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特に、社寺建築は、屋根が大きいため、軒まで伸ばすと一層重苦しくなり、構造からみても軒先に負荷がかかり、垂下する要因にもなる。

上記を改善するために以下の技法が取られてきた。

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「日本建築の底流」(勝手に色をつけさせていただきました)

【飛檐(ひえん)垂木】
ひとつは軒先に近づくにつれて屋根の勾配を緩やかにする方法で、通常の垂木(地垂木)の上により緩い勾配の飛檐垂木を載せて軒を伸ばします。

鎌倉時代になると桔木(はねぎ)を入れて、梃子の原理により軒の垂下を防ぐようになります。

こうすることによって屋根が緩やかにセットバックし、見上げた場合にも手前の軒にさえぎられて屋根の大きさが感じられなくなります。

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【軒反り】
いまひとつは、正面から見て屋根が左右に行くにしたがって上方へ反り上がるように仕上げる軒反りです。

軒反りを加えることによって屋根は軽やかになり、また経年による垂下を防ぐことにもなります。

軒反りは時代が下がるにつれて反りが強くなってくる傾向にあります。

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飛鳥から平安時代までは直線の部分が無く中心から両端にかけて全体的に軽く反り上がる程度(真反り)です。

鎌倉時代になると両端が曲率を増した長刀反り(なぎなたそり)となり、近世では中央部が直線で両端がさらに反り上がる形になっていきます。

【野屋根構造】
上記の桔木の構造を許したのが平安時代の後期から現れて来た日本独自の「野屋根構造」ということなのだと思います。

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明確にそう書いてある文章がないので自信がないのですが・・・

大陸から伝えられた屋根は天井と屋根が一体であったのですが、屋根と躯体構造を切り離した、野屋根の開発により、屋根勾配を急にしても内部の天井は緩やかにできるメリットがあったわけです。

それに加え、外観をの野屋根でカバーできるため、躯体部分を比較的自由に設計することができるようになり、軒下の設計もフレキシビリティが大きくなったと言えるのだと思います。

201303026051中国の建物に屋根反りといって曲線を描く屋根があるのだそうですが、日本は日本独自の技術で繊細な屋根の曲線を造り上げてきたのでしょう。

フー疲れた・・・

本堂でお話を聞きましたが、受付から本堂に上がってくる右手の林が桧で、一部の桧皮はここからも採取されたのだそうで、新しく、むき出しになった樹皮の表面が赤銅色になっているのが確認できました。

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桧皮について、「木は万能選手」というサイトに詳しく論じられています。全国で16人しかいない、桧皮師のことから桧の育成の問題点など膨大な資料を元に広範かつ、仔細な論文を報じておられていて感激します。

同サイトでは寺社の葺き替えに使用される桧皮量の計算をされておられます。

国指定重要文化財を含む桧皮葺建造物は全国で1,650棟(うち国指定重要文化財が700棟、その他は自治体指定文化財など)。

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葺替周期は約35年。

1棟当り屋根面積は166m2/棟(平均)。

したがって、166m2/棟×1,650棟÷35年=約7,800m2が1年当りの桧皮屋根葺替必要量となる。

長さ75cm幅15cmの桧皮30kg(300枚から400枚)を1丸という。1丸を採取するのに必要な桧は8本(樹齢100年、直径30cm)。

2013030260591m2の屋根を葺くのに必要な桧皮は1.6丸(約50kg)で、年間必要量8,000m2とすると約400トン、約13,000本の桧皮採取が必要な計算となる。

桧皮は8 年から10年周期で採取するので、10年ごとに必要量を採取するとして、桧皮4000トン、桧の本数13万本、桧林は約3400ha(約18㎞2)が必要となるということです。

正直言うと上記の必要量が日本の森林面積として、どれくらいの比率を占めるのかというのが判りません。

201303026074以前明通寺でお話をお聞きした時に、なかなか葺替の順番が廻ってこないというお話を聞きました。

桧皮の資源的な問題もあると思うのですが、桧皮の技術者伝承が問題になって、潤滑に葺替が進まない面があるのかと思いました。

三重塔と本堂の屋根を堪能して、小浜市内に向います。

くまじい
阿佐ヶ谷生まれの73歳

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