大野の殿様

福井の中の最初の徘徊先は大野でした。

なぜ大野?というのはよく覚えていませんが、きっと「小京都」の言葉に惹かれて街の雰囲気を味わうという気持ちで出かけたのだと思います。

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街の中から望む大野城

いつものことですが、何の予備知識もなく行ったため、大野の街並は飛騨高山市および美濃市を創り上げた金森長近が整備したものだということは、後に美濃をおとずれた時に始めて知りました。

今見ると当時撮ってきた大野城天守閣の説明書にお名前がでてきていますが、長近そのものを知らなかったので仕方ありません。

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最初に大野に行ったのは2月の寒いときで、まだかなり雪が残っていたお城には誰も居ませんでした。

お城からの街の眺めは雪が多いけど、なんとなく春めいた感じがしました。

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御清水のゆったりした雰囲気と澄み切った清水、武家屋敷、寺町、七間通り、石灯篭小路、イトヨの里(本願清水)など規模は小さいけど歩いていて楽しい気持ちになりました。

途中で食事をし、荷物を預かってもらえないかと頼んだところ、OKではあったのですが、2時に閉まってしまうのでそれまでに戻るならと言われました。

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ゆっくり歩きたかったのでそのまま引いて歩くことに。ということでちょっと端から美濃の印象は悪かったのですが・・

歩き始めてみると可愛い街で、まあご機嫌はすぐ治りました。

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美濃

お土産物屋が並ぶなかで博物館みたいなところがあり、展示物をみていたら、大野の名前がでてきました。

金森長近が大野の城下街を造り、その後高山に移り、高山の街を作り上げ、その後、美濃の地を与えられ、この街並みを整備したということが書いてありました。

なんと小京都と呼ばれるつの街が人のお殿様により整備されたというのです。

いつも行き当たりばったりの徘徊なのでこんな偶然で感激するのですが、歴史に詳しい、あるいはちゃんと行くところのお勉強をしていく方からみればアホなやつだと思われるでしょう。

今回の記事を書くにあたり、余りにも金森長近を知らないので少し調べてみました。

「金森戦記」というホームページもあるのも驚きましたが、その人生というか主君の変遷が自分には驚きでした・・・ちょっと長くなりますが。

御清水

長近は美濃の土岐氏に仕える父の元に生まれ、近江「金森」に移り、金森姓を名乗ります。

①大野城主になる。
織田信長の下に仕え、桶狭間の戦いの功で信長の「長」の字をもらう。

その後、越前の一向一揆を平定した功から大野に封ぜられ、大野城および街並を整備。直接的には福井、北の庄の柴田勝家に属することに。

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御清水

②高山城主になる。
信長が倒された後、柴田勝家と共に秀吉と戦うことになるが、賤ケ岳の戦を前に豊臣秀吉に付き、勝家が敗れた後、秀吉に仕えることになる。

越中の佐々成政が飛騨と組んで戦いを起こすと、秀吉は大野の長近に制定させる。この功により、長近は高山に移封。高山を作り上げる。

寺町

現在の高山の町並みは長近の造ったころとほとんど変わっていないそうです。

③美濃城主になる。
秀吉の死後、徳川家康と組み、関が原の戦いは東軍として戦う。

その戦功を持って美濃を加増されると高山を子供、可重に譲り、美濃に城と城下町を建設し美濃で暮らす。

本願清水

ということで大野-信長、高山-秀吉、美濃-家康と主が変りながら、その都度、常に評価され、戦いを任され、戦功を得た人物のようです。

その街並がまだ残っているということは、ただの戦争に強い人ではなく、城および町の建設に力を発揮し、彼の「作品」が戦術的に優れ、そこに暮らす人々の営みに適し、実践的であったということだと思います。

石灯籠通り

また、かつ、共通の感銘をもたらせる優れた感覚により創り上げられたということではないでしょうか?

大野に話を戻すと、どこに行っても杉玉をみると足がとまるのですが、七間通りで「花垣」のお店を見つけ、すぐ中に。

試飲をさせてくれるという誘惑を断って試飲無しで4合瓶を2本購入しました。

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朝市が開催される七間通り

初めて「山廃」というのを試みましたが(もちろん部屋に帰ってからです・・)山廃はちょっと癖がある感じがしました。

大野には何回か行っていますが、荒島岳に登った後など近くを通った時に、大野に寄って花垣を覗くと季節、季節のお酒が在って、楽しみです。

くまじい
阿佐ヶ谷生まれの73歳

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