己高山1120 鶏足寺 

平成22年の1月も下旬になりました。一旦冬眠から覚めたのに2度寝してしまって・・・

何時また睡魔に襲われるかわからないけど、とりあえず、昨年の記事がいくつかあるので吐き出していきます。

己高山登山ルート 奥びわ湖探訪
己高山登山ルート 奥びわ湖探訪

昨年11月の3連休の話です。

仕事がなかなか大変で、気持ちは落ち込むは、やらなければならないことが溜まって行くは、で3連休も出勤・・・

のつもりでしたが、初日に会社で頑張りましたが、気が滅入って効率あがらず、思い切って中日の20日は休みにして、紅葉シーズンの懸案の一つだった鶏足寺の紅葉を観に行きます。

世代閣駐車場
世代閣駐車場

今年の最大目標は石山寺でしたが、気分的に近場で我慢。

それでもどうせ鶏足寺に行くなら、己高山(こだかみやま)登山も抱き合わせにしようと考えました。

冒頭に示した地図は奥琵琶湖の案内にあるものです。

これは今回ブログを書こうと思って見つけた地図で、石道寺も含めた全体が判るのですが、持っていたガイドブックも現場にあった案内地図も六地蔵側のルートしかでていませんでした。

己高山案内図
己高山案内図

六地蔵から石道寺に縦走しようと考えていたのですがあまり人が歩かない道だと不安なので六地蔵側に戻ろうかなと迷いながら歩いていました。

ちゃんとした地図を持っていないことは反省点の一つです。と言いつつ低い山専門なのでいつも地図は用意していません。

8月に訪れた己高閣、世代閣(鶏足寺の仏像を納められています)の駐車場に近づくと鶏足寺紅葉臨時駐車場の張り紙があちこちにあってちょっとびっくり。

四季桜
四季桜

己高閣の下の田んぼの方では地元の業者達が屋台村の準備をしていて、かなり紅葉見物のお客を見込んでいる様子です。

今回は他に気になることがあるというのか、なんか気が抜けてて、お茶もオニギリも買ってくるのを忘れていたので駐車場の近所で、自販機を探しますが、見当たりません。

屋台の準備をしているところに行ってお菓子屋さんの屋台で缶入りのお茶を入手。

登山口標識
登山口標識

草もちと書いてあるので欲しかったのですが、未だ準備ができていないとのことでした。まあ昼までに降りてくればいいかと出発します。

地図のこともそうですが、オニギリも非常食も持たないこの油断がとんでもないことに繋がるところでした・・・ってちょっと大げさですが。

標識にある法華寺は石田三成が幼少時代を過ごしたと言う説のあるお寺だそうです。

大谷吉継関連の本で入手した4冊のうち、読み終わった「石田三成と大谷吉継」には法華寺の名前は出てきませんでした。

己高山標識
己高山標識

どうも己高山ではなく長浜の「観音寺」に居たという説が主流の様です。大谷吉継の出自も色々説があるようですし、歴史の検証はなかなか難しい。

しばらく澤沿いの平坦な道を歩きます。

途中に瀧の表示がありますが、湿った岩があるだけで、瀧の面影はありません。

紅葉はもう遅い様ですが、盛りの時は結構きれいだったのではないかと思います。

今回は結局、石道寺側に降りたのですが石道寺側はさらに紅葉が綺麗で、鶏足寺(飯福寺)の紅葉に共通する感じがありました。

勝手な推測ですが、六地蔵側からも石道寺側からも登山道は鶏足寺を含んだ観音寺群への参道として、人間の手で整備されていたのだろう。

従って、両参道とも麓にある鶏足寺の境内と共通した紅葉が形成されていたのではないか?

尾根道はほとんど林の中にあり、展望がありません。

六地蔵の居られるところまでくると、開けた平地になっていて、ここの紅葉も綺麗です。

六地蔵を通り過ぎ、6合目にたどり着くと牛留とあります。

これ以上、牛が登れなかったということだと思いますが、ちょっと下に馬止と書いてある展望台があります。

ネットに馬止まで馬でこれるが、その先は用意してあった牛に荷物を積み替え、牛留めまで行ったという記載がありました。

ただ・・・この短い距離のために荷を積み替えるというのは無駄が多い気がします。

・・・・人は馬、荷駄は牛で登ってきて、馬止で馬から降り、牛留まで牛を歩いて引いて行ったということなのではないでしょうか?

8合目くらいの標識を過ぎるとほとんど平坦な尾根筋を延々と歩くようになります。

地図で見ると馬蹄形の尾根をぐるっと廻って行く感じです。しばらく歩くと鶏足寺跡の標識が。団体さんの先客がいます。

鶏足寺の想定図がありますが、礎石の跡を見てもちょっと建物の想像がつきません。

この一帯は鶏足寺以外の観音寺系の寺群があったと言うことですから広大な寺域を有していたのだと思いますが、周りを見渡しても樹木が生い茂るだけです。

団体さんは彦根から来た山岳会の人たちでした。60歳台中心で70歳代もいるとのこと。誰かの娘さんか、1人だけ若い娘さんがいましたが・・・

鶏足寺
鶏足寺

リーダー格の方に「石道寺に抜けたいんだけど道は大丈夫ですか?」って質問。「ちょっと迷い易いところがあるんだけどね」との意味深の回答。

「付いて行っていいですか?」「いいけど~、俺達頂上の宴会が長いんだよね」とのこと。

途中で写真を撮りながら頂上にたどり着くと、彼らの宴はたけなわ、しかもこれから豚鍋が始まるとか。

頂上は琵琶湖側が少し見えるだけであまり展望がありません。

こちらはオニギリも無い身で、立ったまま缶入りお茶を飲み干して、石道寺に向かいます。

「食事せんの?」「はあ。(持ってないんだよ・・・)」

念のため、端に座ってビール片手にした赤い顔したおじさんに迷い易いところを訊ねます。

「途中で右に曲がるんだけどそこがわかりにくいんだ。高圧線の鉄塔に行き当たったら行き過ぎだから戻るんだよ。」とのこと。

己高山登山道
己高山登山道

もう少し顔色の赤くない人に訊くべきだった・・・というのは今後の教訓。

頂上から降りて一本道の尾根道を歩きます。少しだけ日が射してきて気持ちよくなります。

と言っているうちに鉄塔に行き当たります。えっ?ここにくるまで分岐は無かったよな?どうしよう?と思案していると右手前に道があります。

道標はありませんが赤いビニルテープが曲がり角の木に巻いてあります。

己高山登山道
己高山登山道

道は鉄塔の手前5mくらいの位置になるので「鉄塔に来たら間違いだから戻れ」といわれれればこれがそうなのかなと思いますが、戻るというには距離が近すぎる気がします。

この場は、おじさんの言葉を信じて右に降り始めます。

ぬかるんでえらく急な坂で滑って、尾てい骨を打ちます。

この打撃が、2週間後の出張の飛行機で座る「あらかん」を苦しめました。ビジネス席だったのですが・・

 

己高山登山道
己高山登山道

20分ほど下るとまた鉄塔に行き当たります。鉄塔の廻りを探してもこの先には道らしきものがありません。

どうやら関西電力の高圧線監視用の道だったようです。後でお聞きすると無理に下れば道らしきものはあるとのことでしたが・・

一瞬、オニギリも非常食も持たずに、このまま数日彷徨うのか?明日仕事を片づけられないと大変なことになる、どうしよう、などと不安がよぎります。

戻るしかないなと思いますが、赤ら顔のおじさんの言葉がどうしても納得がいきません。

びわ湖を望む
びわ湖を望む

思い余って、ガイドに載っていた西浅井町役場に電話してみました。休日ですから居ないだろうなと「だめもと」の気持ちです。

鶏足寺を始めとして紅葉シーズンのために、出勤されていたのだと思います。

直ぐに電話にでてくれて「山に詳しい人間が外にでてるからこちらから電話させるから待っていてください」ということで、その場で電話を待ちます。

程なく電話が来て、石道寺への道を説明してくれます。

 

「尾根を2本の高圧線が横切っており、一本目の高圧線をくぐり、2本目を越える前に右手に分岐があります。

その分岐の道標が壊れている可能性はあるみたいです。」と。

なんとなく赤ら顔おじさんの説明の怪しさが見えてきました。

尾根に戻り、自分の突き当たった鉄塔が最初の高圧線なのかどうか再度確かめに少し尾根を戻ります。

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己高山登山道

そこへ宴会を終えた山岳会の連中と遭遇しました。

リーダーのお話では「前に来た時に、一本目の鉄塔と二本目の鉄塔の間にある分岐に気がつかず二本目の鉄塔まで行ってしまって慌てて戻ったんだ」とのこと。

赤ら顔おじさんの記憶から「二本目」が抜けていたようです。

リーダーは面白そうに「だれだ、でたらめ教えたのは?」とグループを振り返ります。

 

おじさん、恥ずかしそうにうつむきながら「おれや・・・」とつぶやきます。思わず噴き出してしまいました。

その後はリーダーの案内でグループに付いて行きます。分岐の道標は確かに壊れていましたが決して判り難いものではありませんでした。

知らない道を怖がりすぎたことが逆に悪い方向に行ってしまった気がします。

登りのところで書いた様に、麓に近づくにつれ紅葉が綺麗になってきます。

グループの中で歩いていると1人のおじさんが話しかけてきて、矢継ぎ早にお叱りを受けます。

「単独行は今回のようなことがあるので、してはいけない」「はい・・」

「1人で歩いて怪我したらどうするんだ」「はい・・・」

「君のステッキは短すぎる。降りるときに役に立たない」「・・・・」

倒木を乗り越えてちょっと滑ります。「濡れた木の上に乗ってはいけない。滑る」「はい・・・」

石道寺と鶏足寺の分岐
石道寺と鶏足寺の分岐

木の根に足を取られると「根っこにも気をつけなさい」「・・・・」

そこに携帯がなり、電話にでるため、1人立ち止まり、おじさんから解放されました。

電話は娘の間違い電話でしたが父への、ナイスなアシストでした。

降りたところは鶏足寺と石道寺との中間になります。

石道寺の十一面観音を拝観したい気持ちもありましたが、今日は鶏足寺がの紅葉が主なので石道寺は今回はパスです。

石道寺と鶏足寺の分岐
石道寺と鶏足寺の分岐

鶏足寺の人出はたいしたものでした。ぞろぞろ人が歩いています。

残念ながら紅葉は盛りが過ぎた感じで、天気も悪くなり、今にも雨が降りそうで紅葉の輝きは今一でした。

鶏足寺の紅葉を後にしてまた己高閣のほうに戻ります。

屋台のでているところまで来ますが、ウドンなど腹に溜まるものはもう終わりで、結局朝のお菓子屋さんでみたらし団子で腹を足していると、土砂降りの雨になります。

傘を取り出し、己高庵のお風呂へ・・・・彦根の山岳会の人たちも考えることは同じで皆さん風呂にいました。

薬草風呂に浸かりながら、伊吹山に明け方に登って御来迎を仰ぐ催しがあることなどのお話を聞きました。

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そう言えば野坂も夜明け前の3時半から登って御来迎を迎える催しが夏にあったなと思い出しました。

くまじい
阿佐ヶ谷生まれの73歳

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