9月4日北斎展

7月末から8月初めにかけて、入院の準備のために、ブルーレイで録画した番組をタブレットに転送していました。入院中、一応、本は持って行くけど、つらくて本どころではないかもしれない。

毎回繰り返すことなのですが、旅行の移動の時間こそ、まとめて本を読める機会と、本を数冊持って行きますが、ほとんど読まずに、そのまま持ち帰ることが多い。

機内のパーソナルビデオで映画見るか、ひたすら寝て時間を過ごしてしまうのですが、ましてや術後の体調を考えると、活字を読む気にはならないだろう。

2014.09.04福井市立美術館
2014.09.04福井市立美術館

それでも、津本陽の「獅子の系譜」を持って行き、少しだけ、読み進めました。もう一冊、「親鸞Ⅱ」上巻も持って行ったのですが、こちらは結局開くことはありませんでした。

実は「獅子の系譜」は、1,2ヶ月程、トイレに置きっ放しなのです。

トイレか風呂で読むので、途切れ途切れで筋をわすれてしまって、始めから読み直すということを繰り返している不幸な状況にあります。

おまけに、新聞や、雑誌、ビッグコミックとオリジナルの漫画が、時々挟まれて、さらに期間が空くことになります・・・

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この際、一気にと思ったのですが、結局、退院後もトイレに戻って、いい加減にしろと、本がふて腐れています。

津本陽の小説は、史実に忠実にと言うことなのだと思いますが、周辺の説明が多く、物語がなかなか展開しないので、結構大変です。

話し言葉が「ござる」などの怪しげな侍言葉ではなく、岡崎弁というのか、静岡弁というのか「〜ずら」に近い話し言葉で、なんか武士らしくない感じだけど、人間味もあるなというところです。

大抵の場合はあるとき、突然その先が気になって、読みふけり、そのまま夜明けまで読み通してしまうという時期が来るので、まあそのうちに読み終えるでしょう。

img_3949胆石手術の時には術後元気がでなくて、動かない身体でPCを立ち上げて、ノンストップで音楽を聴いていました。

全身麻酔だった胆石手術と異なり、今回は半身麻酔だから意識はよりはっきりしているのかもしれないけど、あまり変わりはないだろう。

PCは持って行くつもりはなかったけど、結局、仕事上の連絡を受ける必要がでてきてしまったので、持って行きますが、なにか作業をする気にはなりませんでした。

最近、携帯、タブレット、ブルーツースのヘッドセット、ムーブバンド、デジカメなとUSB電源で充電できるものが多いので、PCを持っていると便利な点はあります。(俺はコンセントかよ!とPCに突っ込まれそうですが・・・)

館内の写真は市立美術館より撮影許可をいただき撮影しました。
館内の写真は市立美術館より撮影許可をいただき撮影しました。

この間、新聞に、タブレット持っている人が携帯用PCを合わせて保有する率が高いと言う記事が出ていました。

詳細は分かりませんし、タブレットを使い来なしていない身で、口幅ったいですが、やはりコンセント代わりだけでなく、携帯用PCも欲しいなというところです。

それはさておき、ってなにが本筋だか解らなくなってきましたが、録画したものをタブレットに入れておけば、ブルーツースのヘッドフォンして、寝ながら見ていられるので、楽かもしれない。

こんな時もくるかと、転送できるように、ブルーレイを購入したといういきさつもあります。

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入院用として持って行ったのは、ドラマの「BORDER」ワンクール分、「ガリレオ」の劇場版。

福井テレビの「極上の京都」、「鯖江藩・間部家の150年」と福井放送の歴史街道スペシャル「建築家ヴォーリズの愛した近江八幡」など。

NHKの「歴史ヒストリア」の与謝野蕪村、琵琶湖にまつわる最澄、中大兄皇子、松尾芭蕉の3人のお話。

桜、京都、富士山、ヒグマの兄弟等自分の興味ある事柄を取りげたNHK等の特集番組。

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NHK日曜美術館シリーズの「夢の宗達 傑作10選」、「世紀の大発見! 歌麿 幻の大作」および「世界を驚かせた 北斎漫画」など、まとめて見ようと思っていたプログラム。

日曜美術館はそのほかに鈴木空如、奥村土牛、フェリックス・ヴァロットン(角田光代)などがありました。

鈴木空如は全く知りませんでしたが、生涯をかけて法隆寺金堂の壁画を3回も精密に模写した画家ということで、こんな人がいたのかと、驚愕しました。

彼の作品は、法隆寺焼失後の復元に大きく寄与したのだそうです。

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常設展は彫刻家 高田博厚でした。これも圧巻の展示でした。

自分の好きな琳派の祖である俵屋宗達。

宗達と光琳、抱一が各々描いた風神、雷神図の比較、風神、雷神のモデルが三十三間堂の、あの両端にまつられている風神、雷神像と考えられるなど面白い番組でした。

昨年の岡田美術館の外壁にガラス越しに描かれた巨大な風神、雷神像を思い出します。

箱根に行った時のくまの必須アイテム、ポーラ美術館、湿性花園に岡田美術館が加わってしまいそうな感じです。入館料高いんだけど・・・

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歌麿の幻の大作は歴史ヒストリアでもやっていて、同じネタで2回美味しいって感じでしたが、感動的な物語で面白い。

「吉原の花」、「品川の月」と並び、三部作と称される大作の一つ、「深川の雪」が60数年ぶりに発見され、上に述べた、岡田美術館で公開されたことを軸にした番組でした。

三部作は栃木の豪商の注文で描かれた、歌麿晩年の肉筆の力作で、昭和23年の展覧会以降、行方が分からなかったのだそうです。

歌麿と栃木の関係、肉筆の大作があることなど初めて知ることばかりで感激しきりでした。

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全国の美術館の展覧会案内がありました。

北斎は全15巻の「北斎漫画」が主役。

平泉成さんのナレーションでドガ、ガレなどの世界の芸術家に影響を与えた様子を紹介したものでした。

ドガはお相撲さんの姿から裸婦のポーズのヒントを得ていたようで、下の北斎漫画第11巻の右側最下段のちょっと上を向いたお相撲さん。このお相撲さんにそっくりの裸婦のスタイルがあることが紹介されていました。

このほかにも盥の中を覗くお相撲さんもドガにヒントを与えていたこと、また、ガレは北斎の描いた鯉を角度さえ異なる物の全くの模写に近い形で鯉をガラス上に再現している話など。

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北斎漫画 国立国会図書館デジタルコレクションからお借りしました。

北斎漫画はおそらく、色々な人がそのアイデア、デッサンの仕方など技術的なことを含めて様々なヒントを得た貴重な参考書だったようです。

実は転送した中に、上記に述べた番組の他に、こちらでは放映のない、テレビ東京の番組「美の巨人達」が入っていました。

番組タイトルだけを見て録画を予約したので、番組の中身を確認していませんでしたが、「葛飾北斎 富嶽三十六景 「神奈川沖浪裏」」の回でした。

福井市立美術館で7月19日〜9月7日まで「北斎展」〜師と弟子達〜が開催されていて、福井テレビが共催に入っていますので特別に放映があったのではないのかと思います。

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葛飾北斎 神奈川沖波裏 1831年富嶽三十六景

「美の巨人達」のホームページでバックナンバーの記事をお借りしました。

「1831年(天保2年)に『富嶽三十六景』の一枚として刊行されるや、たちまち江戸庶民の喝采を浴び大ベストセラーになり、その影響は遥か西洋にまで及んでいきます。

クールベ(波頭の絵)が描き、カミーユ・クローデル(波の彫刻)は触発され、ドビュッシーはこの絵からインスピレーションを得て交響曲『海』を作曲したのです。

なぜこれほどまでに海外の芸術家たちに影響を与えたのか?その謎を解く鍵は定規とコンパスに…。」

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「美の巨人たち」公式サイトからお借りしました

上図のように、この絵は幾何学を駆使して描かれていて、大きな波頭と富士の頂きが左の下の角を中心とした円弧の線上に描かれているということです。

北斎がコンパス、定規を使用したことが事実で、定説としてあるのか、番組で解き明かした新しい事実なのか、きっと番組で語られたのだとは思いますが、解っていません。

精確な技術の話は分かりませんが、波が荒々しく巻かれていくその先に小さな富士山があると言う構図。

渦巻く波の動きにより小さく描かれた富士山に意識が集中して行き、富士山を際立たせるという、動画的なダイナミズムを感じます。

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小学生の粘土教室みたいでした

というところで、本当の本題になります。

8月13日に手術、18日退院でしたが、退院時の注意事項は、しばらく力むようなことはするな、飲酒は控えろ、というものでした。

2週間から3週間してから再度検診して、その後のことはそこで決めようということになります。

先生の勤務の都合で木曜日がいい、でも、8月の末は自分が仕事でちょっと抜けにくいということで、それじゃあ9月4日に再来、それまで断酒しろと。

酒を飲むと血の巡りが良くなり、出血が多くなるのが断酒の理由です。

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続くです。

くまじい
阿佐ヶ谷生まれの73歳

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