成田山新勝寺の仏教文化講座全10回は9月開講、各月の第2土曜日開催で来年6月まで続きます。
各年毎にテーマがあり、今期は「仏教の修行」ということで、全10回の講座のタイトルは下表の通りです。
成田山は弘法大師の彫られた神護寺の不動尊がご本尊ですから、当然真言宗(智山派大本山)のお寺なのですが、他宗派の修行についての講義も受けられます。
色々勉強したい人間にとっては大変有り難いことです。
回 | 月 | 課題 | 講師 |
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第一講 | H29年9月 | 仏教の修行 | 成田山仏教研究所 松本 照敬先生 |
第二講 | 10月 | 中国仏教の修行 | 東京大学 名誉教授 木村 清孝先生 |
第三講 | 11月 | 南方仏教の修行 | 中村元東方研究所 顧問 田辺 和子先生 |
第四講 | 12月 | 韓国仏教の修行 | 東方学院 講師 釈 悟震先生 |
第五講 | H30年1月 | 奈良仏教の修行 | 東大寺上院院主 平岡 昇修先生 |
第六講 | 2月 | 臨済禅の修行 | 花園大学 名誉教授 沖本 克己先生 |
第七講 | 3月 | 曹洞禅の修行 | 鶴見大学仏教文化研究所 尾崎正善先生 |
第八講 | 4月 | 浄土教の念仏行 | 武蔵野大学 客員教授 高橋 審也先生 |
第九講 | 5月 | 法華信仰の修行 | 立正大学 名誉教授 三友 量順先生 |
第十講 | 6月 | 真言密教の修行 | 大正大学 名誉教授 福田 亮成先生 |
先月の第1回目を楽しみにしていたのですが、9月は『東京メトロのよりみち散歩』がバッティングしてしまい、健康増進を優先して断念した次第。
仕事をしなくなって解ったのですが、各種団体の行事がやたら土曜日に集中してる感じがします。
こちらとしては、行事が平日に開催されることを願うのですが、主催者とすれば、やはり参加者を多く募りたいのは当然で、土曜日に集中するのもヤムを得ないのでしょう。
大体のお祭りも週末中心になりますので、あれも、これも行きたいくまさんとしては、何回か残念な思いをしています。
取りあえず、各月の第2土曜日は仏教文化講座、第3土曜日は、お経読み上げと講話をお聴きする信徒七誓会があるため、2週続けて、新勝寺にお詣りすることを原則としようと考えています。
仏教講座、第二講の講師は東京大学 名誉教授であり、曹洞宗龍宝寺住職の木村 清孝先生。講義のため、函館から来ていただいたのだそうです。
Wikipediaに御専攻は、華厳思想を基にした東アジア仏教研究とあり、タイの国際的な集会に招待され、お出かけになる予定とか、お忙しい日々を過ごされているようです。
今回はインドから中国に伝播した仏教(北伝仏教)のお話で、興味深く拝聴しました。
仏教がインドから中国に伝わったのは紀元前後であるが、仏教が真の意味で中国に広がることになったのは後2世紀に仏典の漢訳が進められたことによる。
インド伝来の仏典は大半が漢訳されたが、中国の文化に合う経典が残って行くことになり、中国独自の国柄の影響を受けた仏教になって行く。
インド仏教は基本的には出家した修行者と一般の信者に分かれていたが、中国社会では支配者層を別として、一元化された社会があり、聖なる世界と俗なる世界が共にある世界となっていく。
今一理解できていないのですが、大乗仏教が中国経由の北伝仏教として伝播した、ということと中国の一元化社会構造ということに関連しているのかと。
下表の大乗仏教の特徴から出家・在家を問わず、救済されるとする大乗の考え方と一元化が合うということなのかと考えたのですが、的を外れているかも知れません。
部派仏教(小乗、南伝) | 大乗仏教(北伝) |
出家中心 | 出家・在家に共通した教え |
釈迦牟尼仏が唯一の仏 | 多くの仏を説く |
最高の目標は阿羅漢となること | 最高の目標は仏となること |
自利的:自らの覚りを求める | 利他があってはじめて自らの覚りがある |
菩薩は成道(悟り)前の釈迦牟尼仏 | 菩薩は在家を含め仏を目指すもの全て |
中国が一元化社会であったことに対して、2番目の中国の特殊性として、男性主義であったことが挙げられるということでしたが、これも、よく解りませんでした。
断片的ですが、以下の様なことをお話いただきました。
・仏教伝来以前に、中国には、諸子百家と言われる儒家、道家、墨家などの思想が民衆に儒教、道教が根付いており、これらが、伝来した仏教に影響を与えていく。
・中国の影響としては、儒家の「孝」による父母の尊重、「礼」による仏教儀礼への影響、道家の人のあるがままを認め、「人為」を認めない自然主義、現実主義の影響などなどの紹介がありました。
・仏教では死を輪廻の一過程として捉えているが、道教では神仙思想の長寿、不老、不死を願い、死後の世界を認めない独自の思想があった。
・天命を認め、人間を越える存在を意識し、死後の世界の見える化の役割をはたして行く。
・中国の仏教の歴史は明確ではなく、歴史の中に残っている人物たちを追うことにより経緯が見えてくる。すなわち、仏典の翻訳をした人達、降雨、戦勝、病気平癒の祈祷を行い、奇跡を起こした人たち、仏教が広まってくると、管理する能力を持った人達が歴史の表にでてくる。
・勅修百丈清規 中国独自の僧の規律を定めた。インドでは僧は働くことがないが、托鉢、作務をすることを定めた。
・七仏通誡偈(しちぶつつうかいぎょ)
釈迦およびそれ以前に存在した6人の仏を合わせた、7仏の教え。
諸悪莫作(ショアクマクサ:諸悪を作ることなかれ)
衆善奉行(シュゼンブギョウ:もろもろの善をおこなえ、修行につとめよ)
自律其意(ジジョウゴイ:こころをきよらかにする)
是諸仏教(ゼショブツキョウ:これすなわち仏のおしえなり)
・四諦、八正道は釈迦の教える正しい生活の方法を、三学(戒、定、慧)は生活の決まりを説いている。
途中一時的に睡魔に襲われたりしつつ、必死にメモしていましたが、下地のない、にわか勉強ではなかなか付いていけません。
読み返しても解らないことだらけですが、これからの講座を受講しながら、自習しつつ、整理していきたいと考えています。
講義終了後、釈迦堂で御朱印をいただき、小雨の中、帰宅しました。
カメラを持ってきて、佐倉で途中下車して秋祭りを楽しもうと思っていたのですが、この天気では元気がでず、断念しました。