TGVが南に進むにつれ、雲は薄くなって陽が射す・・・ようなことはなく。
夜8時頃まで明るいはずが、まだ3時頃で、夕暮れを迎えるように暗くなってきます。
アヴィニヨンTGVで乗り換えて、アヴィニヨンセンター駅に降り立ったのが4時近く。
駅でホテルを確認すると駅から歩いて3分と不動産屋のお勧め品並、タクシーなんか使える距離ではないよと。
ガラガラとアヴィニヨン城の城壁がそそり立つ街の中へ向かい、確かにホテルを即発見。
チェックインしてさあ、街をぶらつこうとするとかなり強い雨が降り出します。
15年程前になるでしょうか・・・
アヴィニヨンから程無いところに、マルクール原子力研究所がありました。確認すると今は発電所も含んだ原子力地区という呼称になっているようです。
そこに、自分が導入を図ろうとしていた、アメリカの会社の廃棄物処理技術のパイロットプラントがあるとの情報があり、見学を申し入れて、受け入れてもらってアヴィニヨンを訪問しました。
マルクールは同様の技術の独自開発を進めていて、肝心のパイロットは既になく、彼らの試験設備を見学させてもらい、お話を聞くことができました。
・・・などと書くと格好いいのですが。
その前に、スイスの協力会社に自分の会社の専務と、お客さんのおえらいさんを迎えて、必至の接待。
「くまさん、英語はあまり流暢じゃないね」などとお客さんに揶揄されて・・・うるせえ、そんなら通訳なんかさせるな!とか・・・
スイスの会社のはからいで、ゾフィンゲンという小さな石造りの街に一泊したのですが、街並を愉しむこともなく、「くまさん、日本料理屋さんがあるかどうか訊いてよ」とか・・・
チューリッヒの日本料理屋さん、明日行きたいと電話すると、明日は休みだと。英語の流暢じゃないくまさん、日本語が通じる、となればしめたもの、粘って、開けてもらい、ご一行をお連れします。
喜んではいただいたのですが、「焼酎のお湯割りには梅干しでしょっ」って、怒りに、くらっとしたら、スイス人の奥さんが梅干しの容器を持ってきてくれます。
挙げ句の果てに、「残りの梅干しをもらって行こうよ」と、わがまま放題。
奥さんは良いですよとあっさり快諾しますが、慌てて、日本人のご主人が飛んできて、「これは私用に日本から取り寄せたものなのでご勘弁ください」などと顛末があり・・・
その諸々が予測されていたため、帰りまで一緒ではたまらない、と、無理矢理出張をでっちあげて、別途帰国させていただく、という、仕事というより、気分直しの旅ではありました。
チューリッヒの空港で専務とお客さんをお見送りして、自分はニースに飛び、TGVに乗り換えてアヴィニヨンを訪問。
その後、どんな理由をこじつけたか覚えていないのですがマルセーユで一泊後、パリまで再度TGVに乗り、帰国した記憶があります。
余分な話が長くなりました。
雨をしのぐために、アヴィニヨン教皇庁の見学を4時半入場が限度というところをギリギリセーフで入場します。面白い・・・
大学入試に選択した世界史はすっかり記憶の襞の奥の奥・・・改めて、勉強してみたいと、意欲が湧いてきます。
その後アヴィニヨンの橋に向かいますが、既にクローズ、小さい、可愛いレストランで食事をしてホテルに帰りました。