札幌の夜の街でえいや、と入った店の、刺身は今一でした・・・が、特製トマトの味には二人で唖然とします。
果物並みの甘さのトマトでした。締めに姉妹店のラーメン屋を紹介してもらって二人で一杯をチョイ残し・・・

翌朝、ホテルの近くの二条市場の朝飯は8時からということで、8時前から歩き回り、裏の方にあるお店で、奥さんはカニ汁、自分はサケハラミ定食を・・・気の遠くなるような大きさで脂の乗ったハラミでした。
今日は小樽を歩いて、夕方新千歳に向かう計画です。

想像していた小樽はこじんまりとして細い運河が縦横に走り、小さな蔵が立ち並ぶという感じ・・・とは大分違い、大きな市街地がありました。

駐車場に車を置き、駐車場のおじさんに街の概要を訊くと、あの橋のところを左に曲がるとみやげ物やが立ち並び、観光客のたむろするところ。
右側に行くとみやげ物やはないけど昔の雰囲気は残っていて味があるとのこと。

そうなると当然、右側から歩いてみたくなるのが人情というもの。
歩いて行くと人力車の客引きが勧誘に来ます。自由に歩きたいからいいよと断ると、観光案内にも乗っていない裏道も案内するからとしつこいこと。

振り切って歩き出すととたんにおしゃれなカフェが、このときはまだオープンしていなかったのですが戻ってきたときにオープンしていて、感じのいい店内は大勢のお客さんが入っています。

昼飯は寿司屋通りでお寿司のはずが、奥さんの気持ちが変わります。「ここにしよ」。入ると、地元の人たちのランチタイムと言う感じ。チキンカレーとキーマカレーを注文しました。

運河沿いに歩いていくと日本郵船小樽支店があります。内部がそのまま博物館になっており、小樽の街を知るのに参考になる場所でした。

東京大学の前身の工部大学の建築(造家)の教授としてイギリスから招かれたジョサイア・コンドルの第一期生の4人の卒業生の一人である佐立七次郎の設計によるものという説明が館内にありました。

コンドルの弟子の第一期生の4人のうち、日銀本店と東京駅を作った辰野金吾の名前は聞いたことがありましたがその他の3人とコンドル自身のお名前はこの掲示で知りました。
日本のビル建築を代表する彼らの作品を列挙すると下表の通りとなります。(出展、写真:Wiklipedia、【現存しないビルを示す】)
建築家名 | 作品 | 代表例 |
ジョサイア・コンドル |
・ニコライ堂
・三井倶楽部 ・目黒雅叙園 ・六華苑(桑名) ・三菱開東閣(旧岩崎邸) ・【上野博物館】 ・【三菱一号館を始めとする丸の内三菱村】 ・【鹿鳴館】 |
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辰野金吾 |
・日銀本店、大阪、京都、
小樽支店
・東京駅(ステーションホテル) ・奈良ホテル ・【旧国技館】 |
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片山東熊 | ・京都国立博物館 ・奈良国立博物館 ・東京国立博物館表慶館
・迎賓館(旧赤坂離宮) ・新宿御苑御休 ・神宮徴古館(伊勢) 高輪貴賓館
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曾禰達蔵 | ・慶応義塾大学図書館 ・慶應義塾大学病院 ・三菱銀行神戸支店 ・三井銀行小樽支店 ・明治屋 ・講談社 ・【三菱三号館~七号館】
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佐立七次郎 |
・日本水準原点標庫
・日本郵船小樽支店 ・【東京株式取引所】
・【大阪中央郵便局】 ・【名古屋郵便電信局】 |
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彼らの作品の多くが現存しないなか、小樽に3人の作品が残っていることになります。
小樽は一時期、経済活動が盛んで、数多くの金融機関が進出し、すぐれた建築物が軒を並べた時期があったこと。
その後、天災、戦災に遭わなかったことから建屋の損壊を免れてきたこと。

また近代化の開発の波から外れていたことなどから再開発対象とならず、古い建築物が残されてきたこと。
等の点で優れた古い建築物が残っているという面があるようです。

日本郵船小樽支店の会議室において日露戦争後の樺太国境画定会議が開かれ、ポーツマス条約で定められた北緯50°の国境の詳細が詰められたのだそうです。
国境画定会議終了後、後で訪れた開陽亭(現、海陽亭)で打ち上げを行った時の写真が展示されていました。

この後、市内の多くの建物の中を歩いていきますが、日本郵船を先に尋ねて、予備知識を得たことが参考になり、歩いていて面白かったです。
日本郵船の前に、旧日本石油の倉庫があり、内部が面白い構造になっていました。

この後、小樽市総合博物館の鉄道の歴史を見ていよいよ、街中に戻り、色々な建物を見て歩きます。市内に昔の鉄路跡が残されています。

途中、上に記載したカフェでランチして、つい食後にウツラウツラと・・・元気を取り戻して再度歩き出します。

小樽市総合博物館は街のはずれにありますが、街中にしゃちほこのある倉庫を利用した運河館があります。
ここには案内所や土産物店もある運河プラザがあり、小樽観光の中心になっているようです。
ここからオルゴール館のある交差点まで延々とお土産物屋や、お食事どころ等が軒を連ねる繁華街になってきますが、有名無名混淆の建物が楽しめます。
まだまだ色んな建物の写真がありますが、とても整理しきれません。朝から歩き廻り、もうすでに夕方になり、新千歳に向かう時間が迫ってきました。

時間が余ったら行こうと言っていた鰊御殿、石原裕次郎記念館は諦めて新千歳に向かいました。

天気には恵まれなかったけど、娘夫婦のおかげで、北海道を目一杯楽しむこ